二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第三十一話 ( No.50 )
- 日時: 2012/10/07 19:54
- 名前: 時橋 翔也 (ID: EggErFJR)
「海音…練習に行かないのか?」
次の日、病室に来ている海音に直矢は訊ねた
「うん…今日は休みだから」
海音はそうやって嘘をついた
「…直矢、ボク剣城に…力を使ったんだ」
「力を?」
直矢は言った
夜桜や直矢は、海音が雪女だと知っている
「…剣城に嫌われたかも」
「…どうだろうな」
直矢はそう言うしか無かった
——————
「今日は海音練習に来ないんだね…」
リフティングをしながら天馬は言った
先ほど海音から電話があった
今日は練習を休むと
「…必殺シュート考えたんだけどな」
メモを見ながら神童は言った
「……」
きっと昨日の事を気にしているんだろう 剣城は思った
「みんな!河川敷に行くぜ!」
すると円堂は言った
「河川敷ですか?」
「今、電話があったんだ、練習試合をしてほしいとな」
練習試合…
「なんか楽しみだね!」
「うん!」
——————
「円堂さん!今日は練習試合に付き合ってくれてありがとうございます!」
河川敷で、試合をする『秋空チャレンジャーズ』のキャプテン 木暮は言った
天馬が住んでるアパートの住人で構成されたチームで、ホーリーロードとは全く関係ない
革命とは関係ない自由なサッカー… よく考えたら久しぶりだ
「久しぶりだな 楽しいサッカー」
神童は言った
「よし 狩屋 お前の実力を見せてくれ…まずは自由にプレーしろ」
円堂は狩屋に言った
愛想よく笑い、円堂が向こうに言ったあと一人呟いた
「自由なプレーだな…?」
——————
「…ねぇ直矢、ボクのこの格好 似合ってる?」
「ああ …なんか昔みたいだな」
直矢は言った
今日の海音の格好はかなりいつもと違っていた
前髪を少しピンで止め、小さく二つ縛りにして黒縁のメガネをつけている
服装も女子らしい ちなみにメガネはレンズではなくただのガラスだ あくまでも『変装』なので
普通の格好で出歩いて、部活サボったとバレないように
「…そろそろ検査の時間だから行くよ」
「わかった…ボクも帰るね」
二人は病室を出ると別れた
これから何をしよう… もうすぐテストだし、家に帰って勉強しようかな
「………」
殺されるかもしれないのに…気楽だなと自分でも思った
——————
病院を出て、河川敷の近くを歩いていた時だった
「あ…」
思わず海音は声を上げる
河川敷では雷門イレブンがどこかのチームと練習試合をしていた
この格好ならバレないかな…そう思って海音は試合を見ることにした
「頑張れみんなー!!」
マネージャー陣は大声で応援していた
「行かせない!」
「悪霊退散!!」
札を持ってドリブルをしている人を見て、海音は苦笑した
「うわあっ!」
するとボールを奪おうとした霧野の前に狩屋が無理な割り込みをした
「狩屋!何をする!」
「すいません 雷門の弱点は霧野さんだと思ったので」
狩屋は言った
ボールは神童に渡る
「天馬!」
神童は天馬にパスをした
「そよかぜステップ!」
相手のスライディングを必殺技でかわし、剣城にパスを出す
だが、スライディングをかわせずボールを奪われた
「くそっ…」
「皇帝ペンギン2号!」
相手の三人は強力なシュートを放つ
前に海音が打った皇帝ペンギン1号の改良版で、威力は落ちるが強力な技だ
「ハンターズネット!」
すると狩屋はゴールの前に立ち、赤い網を出現させてボールを止めた
「天馬くん!」
そして天馬にパスをした
そこにスライディングをかけられ、ボールを奪われた
「行かせない!」
「俺がいきます!」
走り出した霧野に、狩屋は思いきりぶつかった
「うわあっ!?…狩屋!」
「へへっ…」
「………」
もしかして狩屋、わざとかな 海音は思った
「ぶっとびジャンプ!!」
信助の必殺シュートが決まったのと同時に試合は終了した
一対0で雷門の勝利だ
「やったーっ!」
天馬は声を上げる
みんなの表情は、普通の試合と違い、生き生きとしていた
こんなサッカーがいつもできたらいいのに
「…剣城、シードの養成施設に狩屋は居なかったか?」
霧野は剣城に訪ねる
「俺は見たことないです… アイツには素質がありますが、シードかどうかはわかりません」
剣城は言った
「あれ?あの子誰だろ…」
すると天馬は海音の方を見た
「ねぇー!君何してるのー?」
「やば…」
まずい、見つかった
剣城も海音を見た
あいつ…どこかで…
「なんかあの子可愛いね、雷門の子かな?」
信助は言った
「でも…雷門にあんな子居たっけ…」
天馬は呟いた
とりあえず、海音はその場から去っていった
声でバレるかもしれない
…狩屋には、少し気を付けた方がいいかもしれない