二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第三十五話 ( No.54 )
- 日時: 2012/10/11 19:34
- 名前: 時橋 翔也 (ID: j.vAWp8a)
「悪い知らせです」
暗いホールに声が響く
「…言ってみろ」
玉座に座る聖帝 イシドは言った
「はい…聖帝を裏切った学校があるようで、選挙の票に響木にも票が入っています」
「…ならばその元凶 雷門を潰すのだ やり方は問わん」
イシドは言った
「聖帝、…会いたいと言うものが来ております」
すると向こうから男が言った
「入れろ」
イシドが言うと、男は通信機で何か指示した
そしてイシドの前に現れたのは 円堂だった
「…円堂守か」
イシドは言った
円堂は悲しい顔でイシドを見た
「…何で!サッカーにこんなことするんだ!……豪炎寺!!」
円堂は言った
目の前にいるのが親友だと思うと、胸が締め付けられる
「…私はイシドシュウジだ」
イシドは言った
「違う!!お前は誰よりもサッカーを愛していた豪炎寺だッ!!」
円堂は叫ぶ
「何で…こんなことするんだ!それならいっそのこと、サッカーを昔に戻すよう努力しよう!」
「…サッカーは変わった もう昔には戻れない、ならば私は…サッカーを平等にする」
すると円堂を男達が掴む
「お引き取り願おう」
「俺は信じない!サッカーが大好きなお前がこんなことするなんて!俺は信じないぞ!!」
円堂は男達に連れていかれながら叫んだ
——————
日直の仕事の為に海音は早めに家を出た
早朝なので、外の空気は少し肌寒い
次の相手は白恋中…
強いって監督言ってたな
そして雷門に来ると、雷門の生徒が何人かサッカー棟を見ていた
「…?」
何かあったのかな
そう思いながらサッカー棟に入った時だった
「久しぶりだな吹雪」
鬼道の声がした
「あ…」
思わず海音は声を上げた
そこにいたのは、かつてイナズマジャパンの一人だった吹雪士郎だった
吹雪は海音を見る
「海音!久しぶり!」
「シロにぃ!」
海音は吹雪に駆け寄った
「吹雪…知り合いか?」
「うん」
吹雪は頷く
すると円堂がサッカー棟に入ってきた
吹雪を見ると表情を変えた
「吹雪!稲妻町に来てたのか!」
「久しぶりだね円堂くん」
吹雪は言った
「あの人が…吹雪さんか」
神童は呟く
でも何で…ここにいるんだろう
「ねぇ海音、吹雪さんと知り合い?」
「うん 昔北海道の施設で一緒に住んでたんだ」
海音は天馬に言った
「シロにぃって…今は白恋中のコーチだよね…敵同士か」
「いや…元コーチだよ」
吹雪は言った
「どういうことだ?」
円堂は訪ねる
「…白恋も、雷門のように革命を起こそうとした …けどフィフスセクターにバレて、僕は白恋を追われた チームは乗っ取られたんだよ」
「な…」
鬼道は声を上げる
「…チームを守れなかった僕にこんなこと言う資格が無いのはわかってるけど…お願いだ 白恋を救ってほしい!」
「わかったよシロにぃ」
海音は言った
「そうですよ!やりましょう!」
天馬も言った
「白恋は強いし、きっと心強い味方になってくれます!」
「そうだな」
円堂は頷く
「ありがとう …僕はこの事ともうひとつ、白恋の『絶対障壁』の攻略について教えに来たんだ」
「白恋には強力な防御タクティクスがあると聞いたが…それか」
鬼道は言った
「おい海音…そろそろ日直の仕事の時間だぞ」
「あ!そうだった!」
剣城に言われ、海音は急いでサッカー棟から出ていった
「…吹雪さん 海音は本当にサッカー初心者なんですか?」
すると神童は訪ねる
「たまにシュート教える事はあったけど… サッカーらしいサッカーはあまり無いと思う よく施設で友達とボールを蹴りあっていたくらいで」
「施設って?」
天馬は訪ねる
「…海音は七年前、雪原で倒れていたのを僕が見つけたんだ あまりにも冷たかったから死んでると思ったよ」
「雪原で…?」
剣城は言った
「どうして倒れていたのかを聞いたりしたけど…何も答えないんだ 実の親の事も、一度も話したことないし、施設に入った頃にはだいぶ大人しかったよ」
「…光良も、施設にいたんですか?」
剣城は訪ねる
「ああ夜桜ね いたよ施設に …今は万能坂のアパートに住んでるんだっけ」
吹雪は言った
「…白恋に雪村がいると知ったら、海音驚くだろうな…」
吹雪は呟く
——————
「…?」
日直の仕事が終わり、海音が廊下を歩いていた時だった
視線を感じて振り返ると、影から海音を見ている人影がいた
どうやら雷門の生徒らしい
「君 どうしたの?」
海音が近づくと、少年はぎょっとした
「あ…えっと…」
少年は言葉に詰まる
「ボクは雪雨海音 君は?」
「…僕は…輝」
少年は言った
「どうして…ボクを見てたの?」
「…君、サッカー部のストライカーだよね なんかすごいなって…」
「まぁエースは剣城だけど」
海音は言った
「あ、もしかして輝サッカーするの?」
「最近始めたばかりだけど… うん サッカーするよ」
輝は頷く
「サッカー部に入らないの?」
「………」
海音が言うと、悲しそうに輝は視線を反らす
「…入れないんだ 僕は…」
「え?なんで?」
「… ごめんね」
そう言って輝は早足で去っていった
なんで…サッカー部に入れないのかな?