二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第三十六話 ( No.55 )
日時: 2012/10/12 18:57
名前: 時橋 翔也 (ID: cFLcjEJH)


放課後、雷門イレブンは第二グラウンドに集まっていた
そこには吹雪の姿もある

「絶対障壁は、中盤に選手を集めてディフェンス力を高めるんだ」
吹雪は話す
「でも中央に選手を集めるからサイドが甘いという欠点があるんだ」
「なるほど、そこを狙えばディフェンス力を崩せるな」
鬼道は頷く

「…そうだ、もうすぐアイツが帰ってくるんだ!」
すると神童は言った
「そういえばそろそろだな!」
「アイツって?」
海音は訪ねる

「うちのエースストライカーの錦龍馬だ」
三国は言った
「ずば抜けたパワーとスピードでシュートする点取り屋なんだ」
「へー」
「そういやもうすぐイタリアから帰ってくるな」
倉間も言った

「…そうだ 錦が戻るなら、ダブルウイングが使える」
「ダブルウイング?」
天馬は神童に訪ねた

「敵のサイドを攻めるタクティクスだから…絶対障壁に有効だ」
「…二人の強力なストライカーを中心に、高速パスをしながら攻めるタクティクスなんだ」

二人の…ストライカー…

「じゃあ剣城と海音にやってもらおう …頼んだぞ」
「はい」

「……!!」
すると倉間はうつむく
「なんで俺じゃダメなんだ… 俺もストライカーなのに…」

——————

「…行くぞ!」
剣城の声と共に、海音は剣城と走り出す
高速でパスを繰り返し、車田達DFに阻まれた

「行かせない!」
「くっ…剣城!」
海音は剣城にパスを出す

そして剣城はシュートした
だがあっさりと止められてしまった

「…パスを繰り返すのに必死で、シュートが上手く出来ていない」
吹雪は言った

「よし、もう一回!」
海音は言った

錦が帰ってくるのは決勝戦の前日
錦を待ってる訳にはいかない…

練習が終了すると、円堂は声をあげた
「ミーティングするから、ミーティング室に来てくれ!」
ミーティング…きっと白恋についてだろう

そう思いながら雷門イレブンはミーティング室に向かった

——————

ミーティング室では、円堂が準備をしている間、話等をしていた
サッカー部のみの呟きサイト ツイッターならぬイナッターには、たくさん書き込みがされている

『美味しいラーメン屋見つけたんです!皆で行きませんか? by天馬』
『いいな 皆で行こうか by霧野 @天馬』
『わー! 誰だ俺のカレーパン食べたの! by倉間』『てへぺろ☆ by浜野 @倉間』
『お前か! by倉間 @浜野』

携帯で書き込みを見ると、このようにサッカーとは関係ない話題で盛り上がっている

「…海音サッカー上手くなったね」
すると吹雪は海音に言った
「そういえば監督にはシュートのスタイルがシロにぃと似てるって言われたよ」
「そうなんだ……にしても海音、バッサリ髪切ったね」
「案外気に入ってるよコレ」
海音は言った

「…皆は海音が女子だって知ってるの?」
「剣城以外は知らないと思う…もうすぐカミングアウトするけど」
海音は言った
「…?」
なんだか視線を感じて、海音はドアを見る

「海音どうしたの?」
「…誰かいる」

ドアが少しだけ開いていて、誰かが除いていた
すると神童もその事に気づく
「誰だ?」
神童は立ち上がった

皆もドアを見る
するとドアが閉まった
「誰なんだ?答えろ」
「す…すいません!」
ドアが開き、そこに立っていたのは、輝だった

「あれ…輝?」
海音は言った
「すいません…僕もサッカーしたくて…」
「え?」
天馬は声をあげる

「お願いします!僕も…サッカー部に入れてほしいんです!」
輝は言った
「君 名前は?」
音無は訪ねる

「…僕は………影山輝です」
輝が言うと、音無、円堂、吹雪、特に鬼道が驚く
「影山…?」
円堂は言った

「はい…影山零治は…僕のおじなんです」
輝は言った

「…!」
「兄さん…」
音無は鬼道を見る

「影山零治って…確か十年前の帝国の監督ですよね」
海音は言った
「チームを四十年間全国優勝に導いたすごい人だって…」

「だが 裏で色んな悪事を働いていたらしいぞ 雷門の宿敵だったはず」
剣城は言った

「…はい おじさんが皆さんに迷惑をかけたことは知っています…」
輝はうつむく
「でも 雷門に憧れてて!どうしても雷門サッカー部でサッカーしたくて!
「………」

憧れてて…か
海音は入学時の自分を思い出す

「…お前はサッカー好きか?」
すると円堂は訪ねる
「…はい!」
「だったら入部を認める」
「そうだよ!一緒にサッカーしようよ!」
天馬は言った

「ああ 歓迎する 影山」
「…!ありがとうございます!」
輝は言った

「あいつをいい選手に育てる…それが俺達の役目だな」
「ああ」
鬼道は頷いた

——————

練習が終わると、次々と仲間達は帰っていく
だが俺は残って練習していた

「居残りか光良」
「磯崎…」
グラウンドの外にいる磯崎に俺は言った

「…海音も頑張っているからな」
「やっぱ追い抜かされたくないのか?」
「追い抜かされてるさ とっくに」
俺が言ったときだった

突然、強力なシュートが俺に向かって飛んでくる
「!?」
なんだ? そう思いながら俺はボールを蹴り返す

「誰だ!」
「…忘れたか?俺を」
向こうの樹の影から人影が出てくる

青い逆立った髪の少年… まてよ あいつどこかで…
「久しぶりだな 夜桜」
「お前…豹牙!?」

目の前にいるのは、昔一緒に住んでいた幼馴染みの豹牙だった

でもなんで…

「…お前 なんで歩けるんだよ!」
「ハハッ… 俺は手に入れたんだ 」
豹牙はボールを構える

「お前らに…復讐する力をなあっ!!」
「光良!!」

とてつもない威力のシュートが放たれる
ダメだ 返せない…

「うわああああああ!!!」