二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第二話 ( No.6 )
- 日時: 2012/09/04 20:26
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
「こいつらが新しい雷門イレブンになる」
剣城がそう言って出現させたのは、稲妻マークが入った黒いユニフォームを着た十人だった 十人ということは、剣城も入っているんだろう
「な…そんなことが許されると思っているのか?!」
神童は言った
「…フィフスセクターからの指示ですよ、キャプテン」
「なに…?」
フィフスセクター? 海音と天馬は首を傾げる
「まぁそれは、今の雷門イレブンがこの 黒の騎士団に負けたらですが」
「…なめやがって」
ピンクの髪の少年は言った
「みんな!絶対に勝つぞ!」
「はいっ!!」
なんか…すごいことになってきた…
——————
雷門イレブンと黒の騎士団の試合は、サッカー棟の屋内グラウンドで行われることになった
海音と天馬、音無、雷門の久遠監督は試合を見ていた
やじうまが集まっているが気にしない
雷門からのキックオフ だがわずか三秒程でボールは奪われてしまった
速い…!!
「デスソード!!」
まずは黒の騎士団に先取点
「あの人たち…強い」
海音は呟いた
そのあとも、次々と雷門は点を入れられた
必死に戦う雷門だが、黒の騎士団にはかなわなかった
雷門が弱いんじゃない、黒の騎士団が強すぎるんだ
10−0 圧倒的な点を奪われてしまった
「…松風と雪雨は入部希望か?」
すると久遠監督は訪ねる
「はい…」
「…選手交代!南沢と浜野に変わり松風と雪雨!」
「…………………ええええ??!!」
海音と天馬は絶叫する
だが、ユニフォームを渡されると、やるしかない
憧れの雷門のユニフォームを着た二人はピッチに立った
「…………」
これが試合か…海音は思った
試合再開 神童から天馬にボールが渡る
「上がれ松風!!」
神童は言った
「…ふっ 遅い」
剣城に強引にボールを奪われた
「行かせない!!」
海音は剣城に突進する
余裕だった剣城だが、海音にボールを奪われてしまった
「なに?!」
ここで前半終了のホイッスルが鳴った
雷門は海音と天馬以外ボロボロだった
「このままじゃ…潰される」
神童は呟く
潰される?雷門サッカー部が?
そんなの嫌だ…
「…天馬、後半は勝ちに行くよ」
「え?」
「絶対に勝って、雷門サッカー部を守るんだ」
「…そうだね」
天馬は頷いた
後半開始のホイッスル
海音からのキックオフだった
「雪雨パスだ!」
だが 倉間の声など無視して、海音は突っ走った
「雪雨?!」
何を…する気だ?
「行かせるか!」
黒の騎士団の何人かがスライディングをかけてくる
だが海音はかわした
「何?!」
「行くよ!!」
ゴールの前まで来ると、ボールが冷気をまとってキラキラ輝き始める
「ダイヤモンドショット!!」
とてつもない破壊力のボールは、ゴールにそのまま突き刺さった
雷門、一点
「やったあ!」
海音は天馬とハイタッチをした
「信じられない…」
神童は呟いた
雷門のみんなも驚いているようだ
「チッ…」
剣城は舌打ちをした
試合再開 黒の騎士団からのキックオフ
天馬はボールを奪った
「海音ッ!!」
そしてボールは海音へ
さっきのように一人突っ走った
「雪雨無理するな!俺たちもいる!」
神童は叫ぶが、海音は無視した
ボールを渡したら、きっとみんなはラフプレーをくらう
傷つくのは…ボクだけでいい!!
「行かせるか!!」
審判の見えない位置で、黒の騎士団は海音の腹をボールごと蹴った
「がはっ…」
「…ふん!」
強い蹴りを次々とくらい、海音は立つのも限界になる
「あいつまさか…俺達を傷つけないためにパスをしないのか?」
霧野は呟く
周りの雷門イレブンもはっとした
「海音!!お願いパスをして!!」
天馬は叫ぶ
強烈なラフプレーをくらいながら、海音はダイヤモンドショットで点を入れていた
今で九点目 あと一点だ
「はあっ…はあっ…」
とうとう海音は倒れた 体力は限界を越えていた
「海音!後は俺がやる!」
そう言って天馬はゴールへとかけ上がっていく
だが ラフプレーを受けてボールを奪われた
「くっ…」
すると海音は立ち上がる
「ボクはまだ…戦える!!」
「………」
そんな海音を、剣城は遠目で見ていた
「…剣城くん」
すると黒の騎士団の監督は剣城に言った
「雪雨海音を狙いなさい」
「…はい」
すると剣城の背後から甲冑をつけた騎士が出現した
あれは…化身だ
「剣聖ランスロット!!」
そして剣城はボールを蹴りながら海音に突進した
「海音ッ!!お前は…俺が潰す!!」
「うわああああッ!!」
剣城に吹き飛ばされ、海音は地面に崩れ落ちた
「海音ッ!!」
天馬は叫ぶ
「くっ…そ…」
動けない…
「なんでだ…なんで俺達にそこまでするんだ雪雨!!」
神童は言った
「…あきらめないでください…試合を…」
海音は言った
「…キャプテン、海音は…俺達は諦めたく無いんです!サッカーを! だから…キャプテンもサッカーあきらめないでください!!」
天馬は叫ぶ
「…松風…雪雨…」
神童は言った
「俺は…仲間も守れない、何がキャプテンだ…」
泣きながら神童はキャプテンマークを掴む
「俺はキャプテンなんだっ!!みんなを守るのは俺なんだああああッッ!!!」
神童の叫びと共に、背後から化身が出現した
蒼い髪の指揮者の化身だ
「あれは…」
「神童も化身を?!」
雷門イレブンは驚きを隠せない
「…ふっ…」
「わあああっ!!」
剣城の化身と神童の化身がぶつかろうとした時だった
「そこまでです!!」
突然 黒の騎士団の監督の声が響く
「データは取れました 撤退です」
「…はい」
次々と去っていく黒の騎士団を見ると、神童は倒れた
「キャプテン!!」
天馬は駆け寄る
よかった…サッカー部は守れたんだ
海音は思った