二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第三十八話 ( No.62 )
日時: 2012/10/21 10:25
名前: 時橋 翔也 (ID: EggErFJR)


「はあ…はあ…」
第二グラウンドでは 一年生六人が基礎練をしていた

輝のドリブルを見ると 正直使い物にならないだろう

「輝頑張って!」
天馬は言った

すると鬼道は輝に近づいた
「影山 下じゃなく前を見るんだ ……それと」
鬼道は言った
「確かにお前のおじが雷門にしたことは許しがたい…だが あの人は誰よりもサッカーを愛していた…影山の名を恥じることはない」

鬼道は向こうに行くとき 小さく呟く
「…あの人が行けなかった所まで お前が行ってみせるんだ」

「…!はい!頑張ります!」
輝は言った

それからも輝はドリブル練習を続けた
呑み込みが早く、みるみる上達していくのが海音には分かった

「レギュラーになるのも近いかもね」
海音は言った

海音と剣城もダブルウイングの練習を続けた

「行くよ!ダブルウイング!」
高速でパスを回し、海音がシュートする
すごい威力のボールはゴールに突き刺さった

完成した…?

「やった!完成したんだ!」
海音は言った
「よかったね海音!」
天馬は言った

「…ダブルウイングって これでいいのかな…」
一人 輝は呟いた

——————

次の日

今日は白恋戦なので、早めに海音は家を出た

ダブルウイングも完成したし…きっと勝てる

『夜桜と共闘して俺の足を奪ったくせに!』

すると豹牙の言葉が脳裏に浮かぶ
なんで…豹牙はあんなこと…

「見つけた」

背後から声がした
とっさに振り返ると、そこには見知らぬ少年が立っていた
歳は海音と同じくらい オレンジ色の長い髪をした女子と間違えそうな美少年だ

「…君は?」
海音は訪ねる
見たことないユニフォームを着ている

「……テレポートイン」
答えずに少年は呟いた

そのとたん、少年と海音の周りが一瞬で変化した

さっきまで街だったのが、鉄塔がある森に変わっていた

「え…!?」
海音は辺りを見回した
どうなってるの?
海音は少年を見る まさか…
「…君はあの組織の一人?」

「そうだ」
少年は答える
「No.10252 コードネーム『紅也』(こうや)だ」
すると少年の背後から化身のオーラが出てくる
それは赤い剣士に姿を変えた

「紅蓮の剣士フレイムナイト」
「…!」
化身使いか!

「…雪雨海音 お前には『存在の抹消』が言い渡された …ここで消えてもらう」
紅也は言った

すると化身が再びオーラに戻る そしてそれは紅也の右手に集まった
「紅蓮の剣士フレイムナイト …アルマモード」
紅也が言ったその時

化身のオーラは赤い剣に姿を変えた

「え!?」
化身が…武器に!?
紅也は武器を構える
そして飛び掛かった

「うわあっ!!」
海音は何とかかわす
だが紅也はすぐに体制を変え、再び襲い掛かる

赤い血が出る 海音は腕を切られた
「くっ…」
血がダラダラとでる腕を海音は押さえた

こいつは…ボクを殺す気だ

でも…ボクは死にたくない

海音は冷気を集中させ、氷をつくって紅也を止めようとした
だが氷は紅也に近づくと溶けて消えた

「俺は炎を司る…そんな氷など効かない」
紅也が剣を構えると、剣が炎に包まれた

「フレイムドラゴン!」
炎はまるで竜のように動き、海音に襲い掛かる
「くっ…」
速い! 避けきれず海音は頬を切られ、火傷する

「遅い」
「うわああ!」
紅也は容赦なく海音に切りかかった
目の上まで切られ、視界が悪くなる

「痛っ…」
足を切られ、海音は傷を抑える かなり切られた…
「終わりだ」
紅也の周りに炎が発生する ダメだ…殺される

そう思った時だった

「デスレイン!」
謎の声が飛んでくる
とたんに海音と紅也との間に黒い雨のような物が降り注いだ

「なんだ!?」
紅也は声を上げる
雨がやむと、空から二人の少年が降ってきた

海音と同じくらいの歳で、一人は目付きが悪い黒髪の少年
もう一人は緑の髪をした容姿端麗な少年だ

「雪雨海音だな」
目付きの悪い少年は海音を見た
「何とか間に合った…」

「き…君達は…?」
海音は言った
「説明は後だ…まずはこいつを片付ける」
容姿端麗な少年は言った

「…何者かは知らないが、邪魔をするなら殺す」
紅也は言った

「雪雨海音は殺させない」
すると容姿端麗な少年は背後から化身を出現させた 弓を持った女性の化身だ
「戦慄のアルテミス!」

「こっちだって!」
すると目付きの悪い少年も黒い翼の化身を出した
「死神の王者クロウ!」

「ただの化身に何が出来る!」
そう言って紅也は二人に襲い掛かる

容姿端麗な少年は腰からナイフを取り出してとっさに防御した
「くそっ…あいつはまだなのか!」

目付きの悪い少年も長い剣を抜いた
「死神の王者クロウ バーストモード!」
少年が言った時だった

化身はオーラに戻り、剣に纏って斧に変わった
「……!」
化身を剣に纏わせた…

目付きの悪い少年は紅也に切りかかる 紅也はそれを受け止めた
「バーストモードを使うとはな…」
「へっ…アルマモードだけが武器じゃない!」

「戦慄のアルテミス! バーストモード!」
すると容姿端麗な少年のナイフは化身を纏い、美しい弓に変化した

少年は弓を構える
「ハイクリアアロー!」
そこから放たれたのは、真っ白な光を放つ矢だった

「ちっ…」
紅也は舌打ちをして矢をかわした
そして目付きの悪い少年の肩を切りつける

「痛っ…テメェやりやがったなああっ!!」
少年は思いきり斧を振り回すが、呆気なくかわされる

「…死ね!」
紅也は目付きの悪い少年の首を狙って切りつけようとした 時だった

「破壊神ブロークンスター!!」
再び空から声がして、カマイタチのようなものが紅也に襲い掛かる

「な…誰だ!」
何とかかわした紅也は言った
空からもう一人の少年が降ってくる 灰色の髪に褐色の肌の少年だ

「バタップ!」
「テメェ遅ぇんだよ!」
「すまないミストレ エスカバ」
少年は言った

その手にはおそらく化身を纏わせたであろう剣が握られている
「…バーストモード使いごときが、アルマモード使いの俺に勝てるとでも…」
紅也が言ったその時

紅也の背後に一人の少年が表れた 長い金髪を後ろで一つにまとめた少年だ
「紅也」
「…弥御(みおん)か」
紅也は言った

「帰還しろとマスターが言ってたよ…なんでも雪雨海音はまだほっとけだとさ」
「………」
紅也の手から剣が消える

「命拾いしたな だが次こそは殺してやる」

「テレポートイン」
金髪の少年が言うと、二人は黒い光に包まれて消えた