二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第四十三話 ( No.69 )
- 日時: 2012/11/04 07:04
- 名前: 時橋 翔也 (ID: C5PYK3fB)
「では今日の練習を始める 昨日と量は二倍 それを2セット繰り返せ」
鬼道は言った
「あの…ボクはまたランニングですか?」
「ああ…但しタイヤをつけて全速力だ」
「はい…」
ここに錦の姿はない
武道館で練習しているらしい
昨日のようにひたすらと海音は走った
あいかわらず疲れない
だが他の皆はへとへとを極めていた
「…やはり帝国のようにはいかないか」
鬼道は呟く
そして去っていった
「…ねぇ〜 信助は〜?」走りながら海音は皆に言った
天馬は辺りを見回した
グラウンドに信助の姿はない
「本当だ!いない!」
「あいつボイコットしやがった!」
「…アイツに探してもらおう」
すると天馬はサッカー棟から飛び出した
「まてよ天馬!」
他の皆も次々と出ていく
海音は立ち止まる ボクも追いかけよう…
——————
やって来たのは、天馬が住んでいる木枯らし荘だった
「成る程 サスケの力を借りるんだ!」
輝は言った
木枯らし荘にいる犬に天馬は近づく
「サスケ 信助を探してくれないか?」
天馬はサスケに言った
するとサスケは起き上がり、無言で商店街に歩いていった
「あっちだ」
天馬は走り出す
「…すごいな 犬と話せるんだ」
海音は呟く
商店街を歩いていると、サスケは足を止める
『雷雷軒』というラーメン屋だった
「…ここにいるの?」
天馬は言った
「とりあえず中に入りなよ 私がサスケを木枯らし荘に戻してくるから」
葵はそう言ってサスケを連れていった
雷門イレブンが中に入った時だった
「あー腹立つ!!(`Δ´)」
信助が座っていた
「おじさんおかわり!」
「お兄さんな」
前にいるラーメン屋の店員は言った
「信助」
海音は声をかける
「あ…天馬に海音 皆も…」
信助は気がついた
「ボクもラーメン食べようかな お兄さん 塩ラーメンひとつください」
「おう」
「じゃあ俺も!」
——————
雷門イレブンみんなの目の前にラーメンが並んだ頃だった
「俺もやけ食いだド!おじさんラーメン3つ!」
「お兄さんだ」
店員は訂正する
「もう鬼道監督とはやってられないド!」
「…嫌なら戦えばいい」
すると店員は言った
「戦うって?」
天馬は訊ねた
「…確かに鬼道監督から逃げたらフィフスセクターと戦えないド」
すると天城は立ち上がる
「よし!戦ってやるド!なぁ影山!」
「え…でも鬼道監督は僕の憧れで…」
輝は言った
「…信助はどうするの?」
海音は訊ねた
「僕は…」
「大事なのは 自分の気持ちに嘘をつかねぇ事だ」
店員は言った
「………」
ボクも 逃げたくないな あの組織から
——————
「信助…練習来るかな…」
次の日 廊下で天馬は言った
「大丈夫だよ きっと」
海音は言った
そしてサッカー棟に向かう途中、神童が見えた
「あれ?キャプテン?」
海音は言った
「二人か…」
「どうしたんですか?」
「錦を呼びにいくんだ …いい加減チームに戻ってもらわないと」
神童は言った
「…ボクらも行っていいですか?錦先輩がどんな練習してるのか見たいし」
「ああかまわない」
神童は頷いた
——————
雷門にはサッカー棟以外にも武道館など、部活専用の施設が存在する
武道館は剣道部の為のものだ
「錦 入るぞ…」
神童達は中に入った
「おお 神童か」
中には傷だらけの錦がいた
周りにはボールが転がり、丸太のようなものもある
「錦先輩…凄い特訓してますね」
「あの監督の練習じゃMFを極める事はできん!」
錦は言った
「…そういえば なんで錦はMFに転向したんだ?」
神童は訪ねる
「…実はわし、イタリアでFW失格と言われてしもうたぜよ」
錦は言った
「世界一のFW目指してイタリアへ行った しかし世界はまっこと広い わしのプレーは通用しなかった そんなとき 師匠に出会ったんじゃ」
「師匠?」
天馬は言った
「師匠はわしにMFをすすめてくれた そしてずっと練習に付き合ってくれたぜよ」
「へぇ〜」
師匠…か
「…錦 そろそろチーム練習に戻ろう」
「おう わかったぜよ…今のおまんらとなら面白い練習が出来そうじゃ」
錦は頷いた
——————
「あいつら…気合い入ってんな」
グラウンドに集まった雷門イレブンを見て水鳥は言った
するとそこに信助がやって来た
「信助!」
「…僕はもう逃げない!サッカーがしたいんだ!」
信助…
すると鬼道が紙を持ってやって来た
「今日からは個別メニューに取り組んでもらう」
鬼道は一人一人にメモ書きを渡していく
それを見た皆は顔をしかめる
「…大変そうだな」
「でも サッカーできないよりはいいっしょ」
「………」
「うわっ…海音のメニュー凄いね」
海音のメモ書きを覗いた天馬は言った
グラウンド五十週 ダッシュ二百本 シュート四百本 ドリブルグラウンド三十週 等 他の皆とは比べ物にならない量だ
「…でも やるしかない」海音は言った
しばらくして、それなりにメニューをこなしてきた時だった
「…やはり このメニュー…俺達がこなせるギリギリのメニューなんだ」
「鬼道監督は 選手全員の能力を把握してる…」
剣城と神童は言った
練習が終わると、皆はかなり息を荒げている
海音も少々汗をかいた
「…もしかして僕だけ倍の高さにされたのって…」
「気づいたか …西園はすぐに諦める癖があるからな」
鬼道は言った
「…疑ってすいません!これからもよろしくお願いします!」
神童は言った
「ああ… 明日も別のメニューをこなすぞ」
「はい!」