二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第四十五話 ( No.71 )
- 日時: 2012/11/05 21:56
- 名前: 時橋 翔也 (ID: jZi4txmM)
「はぁ…はぁ…」
「休んだらどうだ?」
そういうミストレに、海音は首を横に振った
「ううん…続けるよ」
「ぶっ倒れるんじゃねーぞ」
エスカバは言った
練習が終わり、海音は鉄塔でバタップ達とバーストモードの練習をしていた
三時間ぶっ続けで化身を出して練習しているので、海音もかなり疲れている
「バーストモード!」
海音が言うと、ナイフは化身のオーラを纏った
だが姿は変わらず、消えてしまった
「また失敗か…」
…サッカーを守る為にも、出来るようにならないと
「…そういや海音 今日女子だってカミングアウトしたんだろ?」
するとミストレは言った
「うん …でもクラスの人達には気づかれなかったよ」
海音は言った
制服の海音に、気づいた者はクラスに一人もいなかった
まぁその方が都合がいいかもしれない
「…9時か 大分練習したな」
しばらくすると時計を見てバタップは言った
「今日はここまでにしよう」
「そうだな」
エスカバは頷く
「そういえば、三人ってどこに住んでるの?」
「秘密」
ミストレは言った
「…じゃ、俺らは帰るか」
エスカバは歩き出す
それに続いて二人も歩いていった
…なんか不思議な三人だな…
——————
「…にしても驚いたな…海音が女子だなんて」
神童と一緒に帰っていた霧野は言った
神童はすこしうつむく
「……実はさ、俺は薄々感じていたんだ 海音が女子だって…」
「え?」
霧野は神童を見た
「なんでいつもジャージなのか…気になったんだ もしかしたら海音は女子で、女子だとバレたくないからジャージなんじゃないかって」
神童は言った
「…剣城は それを知って海音を好きになったんだな」
霧野は言った
「…霧野、俺も…海音が好きかもしれない」
「え?!」
かなり以外だった
神童が女子を好きになるなんて聞いたこともない
「海音が女子かもしれないと感づいてから…なんだか海音が気になるんだ…」
神童は顔が真っ赤になる
「…でも 剣城も、海音が好きなんだ 海音も剣城とばかり話してるし…」
「ふーん… まぁ頑張れよ 応援するぜ」
霧野は言った
「…ありがとう」
神童にはそれしか言えなかった
——————
次の日
放課後に海音が部室に入った時だった
「剣城すごいねこの点数!」
「…うわー あと一点で八十点だったのに…」
部室ではテストの見せ合いが行われていた
そういえば今日は監督と音無先生 帝国に行ってて遅れるんだっけ
「…いいんですか? 練習サボって」
「監督からこんなメモがあったんだ」
霧野が見せたのは、鬼道の字で書かれたメモ書きだ
『俺が戻るまで、赤点の者は勉強するように』
とても鬼道が言うことには思えない
『練習サボるな』ならわかるが
「勉強ができての部活だとよ… だから今 赤点のやつらに勉強教えてんだ」
剣城は言った
「う〜…わかんないド!」
「だからこの式をXに置き換えて…」
三国は必死に天城に数学を教えている
「南沢がいればな…」
車田は呟く
「浜野くん…国語と社会ヤバくないですか?」
「速水はどーしたらこんな点数とれるっちゅーか…」
「てか青山 社会満点じゃん!」
「一乃は勉強したのか?」
青山は一乃の点数を見て言った
「国語以外わからんぜよ!」
「だーかーら! このYはここに… てかなんでわかんないところに『坂本龍馬』って書いてんだよ!」
倉間は言った
「…そういえば海音はテストどうだった?」
天馬は訪ねる
「結果は…出せたよ」
「へー」
「狩屋…また計算間違ってる」
輝は言った
「…いい加減疲れてきた」
「剣城すべて九十点代なのに、なんでランクAじゃないの?」
「たまに授業サボるから」
「…じゃあボクは練習するよ…」
そういって海音はジャージを脱いでユニフォームになった
着替えなくてもいいように、ジャージの中にはユニフォームを着ている
「海音は赤点じゃないのか?」
「はい 」
頷いて、海音は部室を出ていった
…どうしようかな
屋内グラウンドには誰もいないし バーストモードの特訓をしようかな
——————
「…おい松風 テスト見せろ」
剣城は天馬の英語のテストを見てみる
『問一 次の英単語の意味を答えよ
一 apple … あっぷる
二 basketball … サッカー
三 cup … ボール
四 rice … りす
五 cat … 犬』
「…逆にお前を天才と呼びたい」
「にしてもどこが間違ってるのかわからない…」
「いや どこをどう見ても間違ってる」
輝は言った
「意味聞いてんのに、なんで一は読みなんだよ」
「え?意味じゃないの?」
「………」
「二はバスケをサッカーと間違ってる…海音が知ったらたぶん怒るよ」
「あはは〜…」
「三は意味わかんない なんでカップをボールと間違える」
「…あてずっぽうだから…」
「四は…何となくわかる気も…」
「いや わからない」
剣城は言った
「五…犬と猫が逆だ」
狩屋は言った
「これはだいぶ重症だな」
「俺 サッカー出来たらそれでいいから…」
「よくないだろ」
剣城は遮る
——————
「雪の女王シヴァ ……バーストモード!」
これで何回目だろう
誰もいない屋内グラウンドで一人、海音はバーストモードの特訓をしていた
繰り返すごとにコツを掴んできた気がする
もう少しでできそうだ
けど…何かが足りない
「何が足りないのかな」
海音はサッカーの練習に切り替えようとナイフをしまった
その時だった
突然、海音の視界がおかしくなる
「え…?」
なに…これ
そこで海音の意識は途切れた