二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第四十六話 ( No.72 )
日時: 2012/11/06 21:10
名前: 時橋 翔也 (ID: cSy8Cn7x)


部室に誰かが入ってきて、雷門イレブンはドアをみる
そこには鬼道と音無がいた

「…どうやら雷門サッカー部には赤点の奴らが多いようだ」
鬼道はため息をつく
「ここには全員いるか?」
「いえ…海音が練習しています」
神童は言った

「まぁいい 明日は試合だ 練習を始めるぞ」
「はい!」

雷門イレブンはそれぞれ着替え始める
「剣城 勉強教えてくれてありがと」
「…別に」
「相変わらず剣城はツンデレだな」
「な…霧野先輩…」
顔を赤くする剣城を見て霧野はクスクス笑う

天馬が『剣城って海音のこと好きなの?』と聞いた日から、よく霧野はちょっかいをかけてくる
霧野にとって、剣城はいいオモチャのようだ

「良かったな霧野 いい遊び相手が見つかって」
「誰が遊び相手ですかキャプテン!」

あははと他の皆は笑う
後でしばいてやろうか

「…ったく! 海音がまってます …早く行きましょう」
そういって剣城は部室から出ていった

…海音も待ってるだろうな
そう思いながら剣城は屋内グラウンドに入った
「海音、待たせ……」
グラウンドを見たとたん、剣城は言葉を失った

海音がグラウンドで倒れていた

「な…海音!?」
急いで剣城は海音に駆け寄る
「おい、しっかりしろ!」
海音を揺するが、グッタリとして動かない
まるで死んだように

「剣城どうした?」
すると神童もグラウンドに入ってくる
「キャプテン!海音が…」
「え…?」
神童もこちらにやって来る

そして目の色を変えた
「海音どうした!?」
冷たい…
何があったんだ?

「海音!?」
雷門イレブンもやって来る
鬼道と音無も来た

「大変だ…保健室に運ぼう」
天馬はそう言って海音を背負い 走り出した

——————

「…雪雨の様子は?」
戻ってきた天馬に鬼道は訪ねる
「貧血のようです …しばらく寝ていれば回復するって先生言ってました」
天馬は言った

「そうか…」
「…海音、最近なんか無理してないか?」
すると神童は言った
「確かに…」
「起きたら話してみましょうよ」
天馬は神童に言った

——————

気がついたら、海音はベットの上にいた
ここは…保健室?
よくみると、海音の腕には点滴が施されていた

そうか、ボク…気分悪くて倒れたんだ

「練習…行かないと」
そう呟いて海音は起き上がる
だが、体はひどく重かった
とても練習できるような状態ではなかった

…そうだ、それなら…

海音は再び横になった
あそこなら…きっと特訓できる

——————
「白竜!」
海音は近くにいた少年に話し掛ける

仮想特訓所に行きたい…そう考えて寝たら案外簡単に行けた

「雪雨…久しぶりだな」
白竜は言った

周りでは少年達が特訓している
どれもハードで大変そうだ

「…特訓しに来たのか?」
「うん 明日試合があるし」
海音は言った

「そういえば、白竜って何でシードになるの?」
「え?」
「いや…何か理由があるのかなって…」
「………特にない」
白竜は言った

「俺は親に捨てられてフィフスセクターに育てられた 拒否権なんてない」「…白竜はシードになりたい?」
「特に …ただ俺を見下した教官達を見返したい」
白竜は言った

「…あと お前女子だろ」「あ バレてた?」
「見たらわかるさ」

白竜って目良いんだね…

「…けど、次にここで会うことはもうないだろうな」
「なんで?」
「じきに俺はここを消去する …お前と会うのはこれで最後かもな」
「…そうなんだ…」

少し悲しかった
せっかく友達になれたのに

取り合えず海音と白竜はドリブルの特訓をすることにした
足場がかなり悪い崖のような所で行った

「すごいね白竜」
「ふん…毎日特訓してるからな」
かなり難易度が高そうだが、白竜は軽々とこなしている

ボクだって!海音もトライしてみた

「…雪雨もやるじゃないか」
白竜は言った

二人のプレーは、空間全てを使っていて、3Dといえそうだ

「…うわあっ!」
すると足を踏み外し、海音はバランスを崩す

まずい…崖の底に落ちる…

すると白竜は危機一髪で海音の腕を掴んだ
「白竜…」
「ったく…ヒヤヒヤさせやがって」
白竜は海音を引き上げた

すると白竜は辺りを見た
いつの間にか少年達が消えている

「…そろそろか」
白竜は指をならした

とたんに、周りの特訓器具などが光となって消えていった
「え…白竜!?」
「…言っただろう、ここは消去すると」
周りの器具と共に、海音と白竜も光を放ち始める

「…お別れだね」
「ああ …さよなら 海音」

光と共に二人は消えていった
そして気がつくと、海音は再びベットの上だった

「白竜…」
そう呟いた時だった

「海音起きた?」
保健室に天馬が入ってくる

それに続いて、剣城と神童も入ってくる
「うん…練習終わった?」
「ああ ついさっきな」
剣城は言った

「海音…最近無理してないか?」
「…あはは 少し頑張り過ぎました」
海音は言った

「…じゃあボク帰ります」
点滴を引っこ抜き、ベットから降りてジャージが入ったカバンを手に取ると海音は保健室を出ていった

「海音…」
「……大丈夫かな」
すると天馬は呟く

「なんか最近…海音 なんか思い詰めてるみたい…」
「……」
海音…