二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第五十五話 ( No.81 )
日時: 2012/11/23 21:17
名前: 時橋 翔也 (ID: bHw0a2RH)


今日の雷門の夕食はシチューだった
みんな練習で疲れているのか、シチューを頬張っていた

「おかわりー!」
「あ!俺も俺も!」
「えっと…お願いします」
「僕も!」

「………」
一年生組の中では一人、剣城だけはあまりシチューを食べてなかった

さっき海音を抱きしめてしまったことが頭から離れない

心配だった 海音がどんな目にあっているのか
無事だとわかって安心して…気がついていたら身体が動いていた

「剣城元気ないな どうしたんだ?」
すると神童が剣城の隣にやって来る

…キャプテンには話すべきか

「…さっき海音を見ました」
「本当か!?」
「ハイ… ……」
剣城がうつむくのを見て、神童は少し心配する

「海音は…無事だったか?」
「…ハイ」
「? 剣城どうしたんだよ」
「………」

『もしかしたら…キャプテンも海音のこと好きかもね』

狩屋はそう言っていた

「…それで俺は…安心して……海音を思いきり抱きしめてしまったんです」
「え……」

キャプテンになんて思われただろうか
剣城には検討もつかなかった

「そう…なのか」
「キャプテン?」
「いや…剣城もそんなことするんだなって思った」
神童は言った

「で…海音はなんて?」
「…いちおう女子だよと言われました」
「まぁそうだがな」
「………」

すると剣城は立ち上がる
「…すいません 俺はもう寝ます」
それだけ言って剣城は去っていった

——————

「ただいまー!」
海音はツリーハウスに戻ってきた
いいにおいがする…

「お帰り…夕食出来てるよ」
ミュウは厨房らしき所から言った

海音がテーブルにつくと、ミュウは色んな食べ物を持ってきてくれた
「わーおいしそう!」
海音は言った

テーブルの上にならんだのは、野菜や肉をふんだんに使ったスープや、白い魚の中に香草をつめたバター焼き、おいしそうなソースが掛かった薄い肉の盛り合わせなどがあった

どれも見たことのない料理だったが、ミュウの料理はおいしかった

「ミュウって本当に料理上手いね」
スープを食べながら海音は言った
「まぁ生きてる頃、お兄ちゃんと二人暮らしだったから…」
ミュウは言った

すると海音は、さっき剣城に抱きしめられた事を思い出す
あれは…一体何だったんだろう

「…海音さん?どうしたの?」
「いや、さっきね… 剣城って雷門の仲間に…抱きしめられたんだよね」
海音は打ち明けた
「前も別の人からそんなことがあったけど、その時は泣いてたし… 一体何だったんだろうかなって」

「…その人、もしかして海音さんが好きなんじゃない?」

…え?

「好きなんじゃないって…ボクのこと?」
「うん きっとそうだよ」「………ふうん」

好きか…
ボクは剣城の事好きだよ
でも…あくまでも友達として

「…ボクには、恋愛っていうのがよくわからない…」
「そうなんだ… でも私もよくわからないかな 村には子供少なかったし」
ミュウは言った

夕食が終わると、ミュウは厨房からデザートになにかを持ってきてくれた
それはカップに入った果物ジュースに粒々の小さな果物が入った物だった

「ミュウこれは?」
「タピオカっていうデザート おいしいよ?」
ミュウに言われ、海音は一口飲んでみる

「食べたことない味だけど…おいしい」
「本当に?良かった…」

明日はどんな特訓をしよう…
樹の上でのドリブルとか?

——————

「…?」
あれ…ここは…

見回すと、そこは昔俺が住んでいたアパートだった
目の前のドアの前からすすり泣きが聞こえる

「ううっ…何で…何で奈美が…」
母さんの声がする

「何で…奈美なんだ…」
父さんの声

耳を塞ぎたくなった
聞きたくない

「何で……」

やめろ…それ以上は…

「奈美じゃなくて…蘭丸が死ねば良かったのに」

聞いてしまった
俺の中の何かが壊れた

何で…何でそんなこというんだよ…
「うわああああ!!」
俺は声をあげて泣いた

悲しかった 胸が張り裂けるくらい

「…おい 霧野!」
すると別の声がして、霧野は目覚めた 夢か…

そこにいたのは神童だった
「神童…」
「大丈夫か?うなされていたぞ」
神童は言った

「珍しいですね…先輩が寝坊なんて 皆練習始めてます」
剣城は言った

どうやらもう朝らしく、洞穴には神童、剣城、霧野の三人しかいない

霧野は起き上がる
「…俺も練習行くか」
「今日も昨日と同じメニューだって風丸さん言ってました」
剣城は言った

試合は明後日
その為にも特訓しないと!