二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第六十五話 ( No.94 )
日時: 2012/12/07 23:52
名前: 時橋 翔也 (ID: Z6SnwTyI)
参照: キャラ崩壊サーセン


「できたよ」
そう言ってミュウが持ってきたのは、香草をふんだんに使ったパイだった

「わあ〜おいしそう!」
海音は言った
「夢みたいだ… ミュウの料理がまた食べられるなんて」
今日の昼食にはシュウもいた
三人で号令のあと、一斉に食べ始めた

「シュウはよかったの?他の皆との食事会に行かなくて」
「いいんだ …こうして三人で食べたかったし」
シュウは言った

「このパイとスープおいしい!」
「今日は思いきり腕をふるったの…これで海音さんとの食事会も最後だから」
ミュウは言った

…そうか これで最後なんだな…
「ミュウ今までありがとうね 助かったよ」
「いいの 私も楽しかったし」

「…シュウはどうするの?」
「え?」
「島を出ようとか…考えないの?」
「………」

するとシュウはうつむく
「…ここは僕の育った島だから…出ようとは思わない」
「そうなんだ…」
強制するつもりはないので、海音はそれ以上言わなかった

——————

『…もし俺が海音を殺しそうになったら、俺を殺してください』
『な… 剣城…』
『お願いします』
『……わかったよ』

「霧野?」
すると霧野は神童に話し掛けられる
「神童…」
「どうしたんだよ…考え事か?」
「…なんでもない」
霧野は言った

「さぁーて…食事会は終わったし…最後に全員で盛り上がろうぜ!」
すると水鳥は言った
「盛り上がる…って何をするんじゃ?」
「リレーとか?」
「当たりだ天馬!やっぱり錦とは違うな」
「なっ…」

リレー? ここにいる皆は首を傾げる
「よく見ろ ここは砂浜だ…丁度グラウンドくらい広いしな」
「つまりこの砂浜を一周するのか」
神童は言った

「どうしたんですか?」
するとそこに海音とシュウがやって来た
「あ、シュウと海音…今からリレー大会するんだ」
「リレー大会?」
「…丁度いい 剣城 決着をつけようじゃないか」
「臨むところだ」

取りあえず二つのグループに別れる事にした

Aグループ
錦、信助、輝、狩屋、白竜、シュウ、海音

Bグループ
水鳥、茜、神童、霧野、剣城、天馬

「先輩達はやらないんですか?」
「ああ… こういうのは見ている方が面白いからな」
三国は言った

砂浜に線を引き、スタートの合図を葵が出すことになった
「所で海音は誰と走る?」
「うーん…」
「なんか面白そうなことしてるな」
するとやって来たのは円堂たちだった

「あ 監督!」
「どうしたんですか?」
「暇だから来たんだ …リレーか よく俺達もやったな」
風丸は言った

「そうだ 風丸さん Bグループに入りませんか?人数が合わないんです」
「ああ 別に構わない」
「風丸さんか…きっと早いよね」
海音は呟く

「絶対に負けんぜよ!」
「こっちこそ!」
そう言いながら錦と水鳥はクラウチングスタートの構えになる

「じゃあいきます!よーい… スタート!!」
「どおりゃああああ!!!」
同時に二人は走り出す

「あいつらあんなに速いのかよ…」
「がんばって水鳥ちゃん!」
茜は言った

「茜さんは水鳥さんと違って足 速くはないよね…」
信助は呟いた

「信助次頼んだぜよ!」
「茜あとは任せた!」
そして二人は同時にバトンタッチした

「…ってええ!?茜さん以外と速い!」
「ふふふ…」
「そりゃそうじゃ 山菜はクラスで三番目じゃからのう」
錦は言った

少しだけ茜がリードする
信助 かなり焦ってます
「影山! お願い!」
「神サマ〜!」

茜がバトンタッチし、次に信助がバトンタッチする
「神童がんばれー!!」
「キャプテン!」
「輝いけー!!」

輝は少しずつ距離を縮めていく これでも輝の足はかなり速い方だ
「狩屋ー!!」
「霧野いくぞ!」
ほぼ同時に二人はバトンタッチした

「へへっ… 負けませんよ先輩!」
「それはこっちのセリフだ狩屋!」
抜かし抜かされを繰り返しながら次の走者へ走っていく

「白竜くん頼むよ!」
「剣城行けッ!」
これもまた同時にバトンタッチ

二人はとんでもない殺気を放ちながら走る
「負けるかあああ!!」
「行け剣城ー!」
「白竜!」

見る限り、二人ともぴったり速度は同じだ
「シュウ!」
「松風!」
バトンタッチを受け、二人は走り出した

「くっ…速い!」
「なかなかやるね天馬!」
殆ど変わらないように見えるが、少しずつ間が開いていく

天馬の方がシュウより少しだけ速いのだ
「ラスト!海音 君の走りを見せてもらう!」
「風丸さんお願いします!」
風丸が速く出て海音が少しだけ遅れた

やっぱり風丸さんは速いな… でもボクだって!
「!?な…」
海音が風丸を抜かしたのを見て、皆は目を疑う

海音は今まで見たことないくらい速いスピードで走っている

「よし…ゴール!」
海音がゴールした三秒後に風丸もやって来る
「驚いたな…こんなに足が速い一年生初めてだ」
風丸は言った

「海音って百メートル何秒?」
「えっと…十・一だっけ」
「はやっ!」

「じゃあ…そろそろ出発の用意をしよう」
「はい!」
「いよいよ出発か…」
よく考えたら、案外長かったな この島にいた期間
——————

海音はシュウとミュウと森の中にいた
もう出発の時間だった
「お別れだね 海音さん」「…ミュウ ありがとうね今まで」
するとミュウは包み紙を海音に渡した

「これ…帰りの船で食べて」
「うん ありがとう」
海音は受けとる

その時だった
突然シュウとミュウの身体が光ってきた
「…これが成仏ってやつ?」
「そうみたい… でも僕はまた 小鳥にでもなって海音を見守ってるよ」
シュウは言った
「じゃあ…さよなら海音さん」
「さよならシュウ、ミュウ」
そして二人は黄色い光となって消えた