二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第六十八話 ( No.97 )
日時: 2012/12/09 12:41
名前: 時橋 翔也 (ID: j.vAWp8a)


「…別に俺はついてきて良いなんて言ってないぞ」
「あ 待ってよ剣城!」
海音、剣城、天馬の三人は病院に来ていた

目的は優一の見舞いだ
「…直矢も見ていこうかな」
海音は呟いた

病室に行くと、優一はまだ検査中のようだった
「…後でまた来るか」
「そうだね」
海音は頷いた

剣城は何処かに行ってしまったので、海音と天馬は廊下を歩いていた
「直矢さん元気かな…」
「多分元気だよ 明後日仮退院でボクの家に来るんだし」
海音は言った

「…君達 雷門サッカー部だよね」
すると後ろから声がして、二人は振り返る

そこにはオレンジ色の髪をした少年がいた
「あ…」
「うん そうだよ」
天馬は言った

「君は松風天馬くん…それから雪雨海音」
「太陽!?」
海音は声を上げた

「え…海音知り合い?」
「うん 幼馴染み」
「久しぶりだね海音」
太陽は言った

「いつ…ここに来たの?」
「三日前だよ 」
「君はサッカー好きなの?」
天馬は訪ねる
「うん いつもホーリーロード見てるよ …いいな 僕はサッカー止められてるから」
「僕は雨宮太陽 よろしく」
太陽が言ったときだった

「太陽くん!太陽くーん!」

「やばい!」
「え…太陽!?」
腕を引かれ、三人はベンチの近くに隠れる

すると一人の若い看護師がやって来た
「もう…どこに行ったのかな」
そしてまた何処かに行ってしまった

「まずい…急いで病室に戻ろう」
「あ 待ってよ太陽!」
二人も太陽についていった

病院に入り、病室に駆け込んだ
「間に合った…?」
だがその時だった
「太陽くん!」
さっきの看護師がやって来た

「げっ…冬花さん…」
「太陽くん!また病室を抜け出したのね」
看護師は言った
「だって…寝てばかりで退屈なんだよ」
「ダメよ そんなこと言っちゃ …あなたたちもごめんなさいね」
「いえ そんな」
天馬は言った

「とにかくベッドに入って」
「はーい…」
太陽が頷くと、看護師は出ていった
「あ…そろそろ行かないと」
天馬は時計を見て言った

「…二人とも、また来てくれる?」
「もちろんさ!太陽と話したいことたくさんあるし!」
海音は言った
「俺も!…じゃあね太陽!」
「バイバイ 天馬 海音!」

——————

「優一さん待ちくたびれてるかな…」
天馬は言った
「直矢もきっと喜ぶだろうな…」
「…そういえば海音って…吹雪さんはお兄さん呼ばわりするのに、なんで直矢さんは呼び捨てなの?」
天馬は訪ねる

「ああ…実はね 直矢とは幼馴染みで、ボクは直矢のお父さんに引き取られたんだ だからお兄さんってよりは友達って感じかな」
「へぇー…」

「…天馬ごめん 先に優一さんの病室行ってて 」
「え…直矢さんの所に行くの?」
「うん バスケ雑誌渡すから」
そう言って海音は天馬と別れる

今日は直矢と話すことたくさんあるな〜
そう思いながら海音は直矢の病室のドアをノックする

「直矢!あのねさっき……」
病室を見たとたん海音は絶句した

直矢が血を吐いて倒れていた

「直矢ッ!!?」
海音は急いで直矢に駆け寄る
「直矢しっかり!!」
だが 意識がない
どうしよう…

海音は近くのナースコールを必死に連打した
「早く…早く!」

——————

「…海音くん ずいぶん遅いな」
病室で優一は言った
もう十分は経っているのに…
「…そうだ兄さん 言ってなかったけど…」
「なんだ京介?」
「海音は…女子だ」
「ええ!?そうなのか!!」
やっぱりこんな反応か…

「じゃあこれからは海音ちゃんか…」
「止めとけ兄さん 海音が嫌がる」
剣城は言った

「…ねぇ 皆で直矢さんに会いに行きませんか?直矢さん喜びますよ!」
「そうだな」
優一は頷く

そして三人が病室を出た時だった
「急ぐぞ!」
三人の前をすごい早さで何かが通った

「なんだ?」
「今のって…よくドラマである 患者を運ぶシーンじゃない?」
天馬は言った

すると海音が走っているのが見えた
「あ 海音!」
天馬は言った
だが海音はそのまま走っていった

「海音どうしたんだろ…」
「…行ってみようぜ」
剣城に言われ、三人は海音を追った

海音がいたのは手術室の前だった その上の手術中というランプは光っている
「海音…どうしたんだ?」
剣城は言った
「…直矢が 血を吐いて倒れていたんだ」
「直矢くんが!?」
優一は言った

「そんな…確か直矢くんはもう発作の心配が無いって…」
「……」
直矢…