二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:  まだまだだね。 (テニスの王子様.) ( No.7 )
日時: 2012/09/17 21:11
名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: 9hHg7HA5)




 @ Golden age 004. マネージャー @



 ——これは究極人見知り少女、陽菜の物語。
 
 がっちがちに震えながら陽菜は三年の教室に向かっていた。
 手には強く握られたマネージャー希望の用紙。


 (さっ、さささ三年の手塚先輩……!!)


 ひいいいいい!!と内心で叫びながら陽菜は足を進める。
 ふと窓際を見れば、目的の人物がいた。手塚国光、そしてもう一人、不二周助がいる。


 「し、ししししし深呼吸……」


 思いっきり呼吸をし、いざ!!と陽菜は足を踏み出す。


 「っあの!!」
 
 「……ん?」

 「さささ三年の手塚先輩ですよ——へぶぅっ!!」


 ——こけた。この上なく思いっきりこけた。
 ひらひらと手に握っていた用紙が手から離れるのが分かった。不二は優しく手を差し出す。


 「……大丈夫?」

 「す、すいません……ありがとうございます……」


 真っ赤になりながら陽菜はたちあがった。
 が、実際はもう死にそうだ。恥ずかしすぎて。穴があったら入りたいとはこのことを言うのだろう。


 「……男子テニス部、マネージャー希望か?」

 「っはい!! あ、あの私、て、テニス好きで……!! で、でも自分でやるのは……む、むりで……」

 (よっぽどの運動音痴……みたいだね)

 (運動は苦手なようだな……)


 二人が警戒しているのはただ一つ——只のミーハー女子だ。
 だが、陽菜はその警戒を裏返すかのように明るく笑い、言った。


 「でも、誰かの助けをするのは……苦手じゃないんです。それ以上に、誰かの助けをしたいんです!」

 「……なるほどな、分かった」

 「はい!! ……え?」

 「君の意志は伝わった。あとのメンバーにも尋ねてみるから、待っていてくれ」

 「は、はい」


 若干不安そうな顔をしながら陽菜は去って行った。
 その後ろ姿を見つめながら、不二は微笑んだ。


 「いい子だね」

 「ドジっ子、だがな」

 「面白いじゃないか」


 そのころ陽菜は、教室の隅で縮こまっていたのだった。


 ■ ◆ ■


 陽菜ちゃんストーリー。

 ドジっ子好きな手塚先輩に見られたドジ部分←

 緊張ばかりの陽菜ちゃんです。