二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN】 皓々と照る月 【標的37更新しました】 ( No.103 )
日時: 2012/10/21 09:18
名前: 苗字(元なゆ汰 ◆UpTya9wNVc (ID: gwrG8cb2)

 静寂な雰囲気が、部屋を包む。ぼんやりと鈍く光るシャンデリアだけが、その場所を照らしている。XANXUSが、お酒が入っているのであろうビンを傾けて、そのまま口につけた。ごくごくと、まるで水のように飲む音だけが、部屋に響いている。冷や汗をたらりと流す私の両横には、スクアーロさんとベル。そして後ろには、レヴィさんとルッスさん、マーモンさんが立ってくれていた。XANXUSは空になったビンを豪華な装飾が施されたテーブルへコツリと置く。そして、ようやくXANXUSは私に目を向けた。赤い、目。

 スクアーロさんやレヴィさんは、この私の目をXANXUSのようだといったけれど、それは本当なのだろうか。だって、XANXUSの目は私と比べ物にならないほど、ギラギラと憤怒に燃えている。


「——カス鮫。そいつは誰だ」


 その問いに、「う゛お゛ぉぉい! オレに聞くのかよ!」スクアーロさんが叫ぶ。「うるせぇドカス」XANXUSはテーブルの上のビンを引っつかむと、それをスクアーロさんに投げた。そしてスクアーロさんの頭に見事に命中したビンは、硝子の破片を撒き散らし落下していく。「ししっボスー、オレが説明するよ。連れてきたのオレだしね」その光景を笑いながら、ベルが言った。XANXUSの目線がベルへと移る。


「こいつは復讐のためにヴァリアーに来たらしーよ。んで、おもしれーから連れてきたってわけ♪」
「復讐……だと?」


 XANXUSのこめかみが、ピクリと動いた。それさえにもびくびくしてしまう。ああ、なんて情けない。私は、恐る恐る、頭を下げながら言った。


「——東城、夕と申します。父を殺したマフィアを……私を非凡へと連れ込んだマフィアを……、殲滅する強さを養うために、ここに入隊させていただきました」

「——くだらねぇ」XANXUSが、呟いた。「てめぇみてぇなカスが増えたところで何も変わりゃしねぇ。さっさと消えろカスども」


 その言葉に、皆がぞろぞろと部屋を出て行く。ベルもつまらなそうに頭の後ろで手を組んで、私の横から去っていく。スクアーロさんが、「行くぞぉ」と私の手を掴んだ。「先に、行ってください」聞きたいことが、あるのです。私の真剣な目を見て、スクアーロさんが溜息を吐いて部屋を出て行った。とうとう、部屋には私とXANXUSだけになった。「さっさと出て行け。かっ消されてぇのか」XANXUSの目に、憤怒が滲む。


「XANXUSさま。いえ、ボス。私の目は、ボスと似ているといわれました。憤怒と憎悪を含んだ目だと。私とボスを一緒にするのもおこがましいけれど、一つだけ、言わせてください」
「…………」
「貴方も、復讐をするのですか」


 XANXUS——いや、ボスは、揺らがなかった。無言のまま、私を見据えていた。恐怖はいつのまにか消えていて、私も無言のまま立ち尽くす。


「——はっ、オレとてめぇが似ているだと? 図々しいのにも程がある。さっさと出て行けカス」


 先程とは一変、今のボスの目は確かに私と似ていると思った。