二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:  【リメイク】 皓々と照る月 【REBORN】 ( No.7 )
日時: 2012/09/05 16:42
名前: 苗字(元なゆ汰 ◆UpTya9wNVc (ID: mxpCGH6q)

 まだ痛む頭には包帯が巻かれている。まだ医者は安静にしてなさいと言ったけど、勉強が遅れたら困るので無理矢理退院。横暴だとか気にしない。とにかく私は今登校中だ。もちろん学校に。包帯を巻いているためかちらちらと生徒が見てくる。うざいのでとりあえずスカートに手をつっこんで、早足で歩く。程なくして門に到着。学校の前では風紀委員会が仁王立ちしていた。げ、服装検査かよ。特に校則違反な格好はしていないが、雲雀恭弥と会うのは避けたい。ということで、〝群れ〟を見て顔をしかめ、トンファーを握る雲雀恭弥を避けるように、端っこの委員に服装検査してもらう。


「……よし。問題はないな…。しかし、シャツはきちんとしまえ。」
「はーい。」


言われたとおり、シャツをスカートの中に入れる。きちんと入れ終えてふと横を見れば、——やばい、雲雀恭弥と視線がゴッツンコ。雲雀恭弥はにやりと不適な笑みを見せた。その笑みを見た瞬間、背筋が凍る。逃げなければ——わたしのお馬鹿な脳が逃げろと指令を出す前に、本能のままにダッシュした。絶対ギネス超えてるよっていうくらいのスピードで生徒の間を駆け抜ける。ああもう、なんでこうなるかなあ。走るたびに痛む頭を抑えながら、急いで教室に駆け込んだ。


「…?どうしたの東城さん。そんなに息切らして」
「……ああ、笹川さん…。イヤ、肉食動物に追いかけられましてね」
「わあ、そんなの学校にいるんだね!大丈夫?」


 …笹川さん信じちゃったよ。まあ確かに雲雀恭弥は肉食動物(?)だけどさ、本物が学校にいるって信じちゃったよ。何これ。私が悪い感じ?そうなのか?私が悪いのか?

 すると、笹川さんが私の頭の包帯に気づいたらしく、一瞬で驚いたような顔にチェンジ。「どうしたの?」って聞かれたから「恐竜に蹴られた」と返す。そして笹川さんは信じた。もういや!この子純粋すぎる!可愛すぎる!沢田が惚れるのもわかるね!と思ってたら後ろから一言。


「オイどけよ。10代目が通れねえだろうが」
「おっとっとごめんよ転校生くん」
「転校生ってなんだよ!」


 だって名前知らないし。転校生はちゃっちゃと沢田を席に座らせ、私に啖呵を切った。それを見て沢田がオロオロ。山本がケラケラ。くっそコイツらマジなんだし。


「オレの名前は獄寺隼人だ!」
「ああそう、ごっきゅんね、ごっきゅん。」
「ごっ…!ごっきゅんじゃねえ!」


 ごっきゅんが頬を染めて反抗。何ヤダこの子…可愛い。初々しいところがなんともいえぬ可愛さ。恥ずかしがりやなところがなんともいえぬキュートさ。
そんなことを悶々と考えていると、ある疑問が頭に浮かんだ。そういえば。


「どうしてあの時私を呼び出したのさ」
「あー…アレは、10代目がお前を不思議な奴だって言うから…どっかのファミr「獄寺君!続きは言っちゃダメーッ!」10代目っ!?」


 は?ファミ?なんじゃソレ。新しいファミコンの名前?それともファミ通のこと?沢田がごっきゅんの言葉遮ったせいで全然わからなかった。

 けどちょっとほっとした。ごっきゅんの「ファミ」って言葉が何だか不吉な言葉に聞こえたから。なんか、関わっちゃいけない気がする。平凡な日常が、非凡になる気がする。


 もっといっちゃえば、そう、私が私じゃなくなるような。


 そんな、気がして、恐い。