二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN】 皓々と照る月 【閑話2更新】 ( No.90 )
日時: 2012/10/15 08:42
名前: 苗字(元なゆ汰 ◆UpTya9wNVc (ID: gwrG8cb2)

 「よぉし。大体はできたなぁ」スクアーロさんが、満足気に頷きながら言った。私の目の前には、先程やったばかりの語学のテストと、赤いペンで記された92点の数字がある。今日は、スクアーロさんに言われた期限の最終日であった。勿論、7ヶ国語はすべて覚えた。まあ、少し弱いところもあるのだけれど、十日ろくに何も口にせず徹夜でがんばった私をむしろ褒め称えて欲しいくらいである。

 ふと、スクアーロさんがその鋭い目を私に向けた。「てめぇ、油断してんじゃねぇぞぉ。次は戦闘訓練だぁ。1週間やるから殺しの基本は覚えとけぇ」……。なぜか勉強期間より少なくなっている日数と、またもや出された課題に、眩暈を覚える。私は手元にあったテストに視線を落としながら、やや躊躇い気味に頷いた。





 ***





「今回は色々な戦術を覚えるために、一日ごとに教官を帰るぞぉ。一日目はオレ、二日目はベル、三日目はルッス、四日目はマーモン、五日目はレヴィだぁ」


 スクアーロさんが、険しい顔で言った。私はその言葉に疑問を覚えて、質問を投げかける。


「え、ちょっと待ってください。六日目と七日目は?」
「おそらく五日でお前の戦闘スタイルは確定するはずだぁ。だから六日目と七日目はお前に見合った教官をつける。お前、武器は何だぁ?」

「え、武器ですか?」私はごそごそと隊服のポケットを探る。「家から持ってきた手裏剣とクナイと……鎖鎌と煙玉みたいなのがありますね」

「おまえは忍者かぁ! ……だが、中々いい質のものだな。それに、血の臭いがするぞぉ。使い込まれている証拠だぁ。」


 血の臭い。どういうことだ。これは、おじいちゃんが集めていたコレクションの一つで。——ああ、そういうことか。おじいちゃんは、マフィアだったのだ。これを使っていても可笑しくはない。そうか。皮肉なものだ。おじいちゃんが人を殺めた武器で、私はマフィアを滅ぼすのだから。その武器をぎゅっと握り締めると、指の先が刃に当たったのか、つーっと血が流れた。


「訓練は明日からだぁ。時間は朝飯を食べた後。忘れんなよぉ」
「——はい」


 スクアーロさんが背を向けて歩いていったのを見届けると、私も踵を返した。そして、近くにいた隊員に声をかける。





「あの、訓練室はどこにありますか? はい、明日のために、少しは練習しておきたくて」