二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第4話・2 ( No.28 )
日時: 2013/06/29 23:25
名前: escキー (ID: 50HaSQuo)


 ワタタシハナアニ?
 イケナイコ?
 ワルイコ?
 イチャイケナイコ?
 ニンゲンイカ?
 ヘビヤイヌテイド?
 
 ミンナズルイ




ズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイ





ワタシハ、ナンデウマレタノ?




「あんこぅいんざぁすたぁらいず、めをとじてぇ~」
「しょっぱなからそれはマズイです、良馬さん」
箱庭学園の体育館の扉を開きながら歌う良馬と突っ込む城戸。
あいかわらずマイペースな良馬は城戸のツッコミを無視して歌い続ける。
(…これってある意味スキャンダルだよな?)
とても広く橙の寄木細工の上に色とりどりのラインが引かれた体育館でクルクル回りながら歌う良馬。
傍から見れば変人だ。
しかし、そんな変人が世界中から信用され、この国の財政や未来を握る大企業の社長なのだ。
天才には変人が多いという論理はあながち間違ってないような気もする。
(しかし、もう用の無い場所に居続けようとするのか…)
それでも城戸は心の中で少しぼやいた。
できれば早くこの学校から出てしまいたい。
異常に気がついた国家権力の部隊がいつ入ってきてもおかしくない。もしそれで自分の姿を見られたらとても面倒臭い事になる。
だが…
城戸は早く帰りたいと思いながらも、この人がここに居続けたがる仮説を打ち出していた。
(できれば外れて欲しいがな…)
そう思いつつ、城戸はいつでも変身出来るよう身構えた。
そう、その仮定は———
とんでもなくヤバイ敵がまだこの学校に潜んでいるから。
外に出したら暴れて人を無差別に殺していくような、そんな敵が。
だから、この人はここに居ようとしている。・・・という仮説なのだが。
(…良馬さんの行動を見ている限りその可能性は無い…な。)
城戸はそう思って良馬のほうに顔を向けた。
…あいかわらず、良馬は歌っていた。
なんだか悲しいが安心した城戸は肩の力を抜いた。


…のが、間違いだった。
その瞬間、ピキリという音を立て足元が凍りついた。
「!!!!!」
城戸は足が凍りつく前にジャンプして何とか回避した。
しかし、その間に何かが疾風のごとく自らにむけて走ってくる。
しかも城戸の延髄を正確に狙った足蹴と共に。
「くっ!」
身をそらし、間一髪のところで避ける。そのまま良馬の所までバック転するともしもの時に急いで変身できるよう準備していた手鏡を宙に放り投げた。
宙を舞う手鏡に城戸のカードデッキが写り、Vバックルが城戸の腰に装着される。そして城戸はカードデッキをVバックルに差し込んだ。
その瞬間城戸は変身し、仮面ライダー龍騎になった。
「っしゃあ!」
恒例の気合入れの後、龍騎はカードを取り出しドラグバイザーに挿入した。
装填口が閉まると同時にドラグバイザーから電子音声が流れる。

【ソードベント ドラグセイバー】

龍騎の手に青龍刀のような剣が出現した。
 龍騎は男に向き合い、構える。
その瞬間———
 「馬鹿ヤロー、このヤロー」
 と、呟きながらいつの間にか飛んでいた良馬が踵落しを放ってきた。
  ・・・変身しているのにかかわらず、一瞬花畑が見えた。そのぐらい痛かった。
 「ねぇ城戸、考えて行動してる?あれどー見てもここの学生でしょ、高校生でしょ?」
  頭から煙を出して倒れている城戸に向かって良馬が話しかけた。
 「・・・あんな動き、高校生にできないと思いますケド」
 城戸は倒れたまま反論する。が、
 「俺らが戦っているのは人智を越えた化け物ども、仲間は非科学的なヒーロー達・・・それが答え」
 と論破され、黙るしかなかった。
 「いや〜、ごめんよう人吉にくじら〜。ウチの仮面ライダーがなんか迷惑かけちゃって〜。」
 良馬がすたすたと男の元へ歩いていく。
(知り合いだったのか・・・)
城戸は痛む頭を抑えながら立ち上がった。
良馬は金髪の男とボサボサ髪で額にガーゼを貼った女と喋っていた。
「おい城戸、変身解かなくていいから来いよ。・・・紹介してやる、人吉善吉に黒神くじらだ。」
良馬が城戸を呼びながら二人を紹介した。
城戸は言われた通りに変身を解かず良馬たちに近づいた。
「えーと・・・この子達が例の『異常性』と『過負荷』ですか?」
城戸が良馬に尋ねる。
「そ。人吉が他人の視界が覗ける異常性で、くじらが温度を操る過負荷使いさ。」
良馬は城戸の質問に答えながらタバコに火をつけた。
「はぁ・・・あー、その、俺は城戸真司。一応記者やってる。よろしく」
城戸はとりあえず良馬の返答にうなずいてから二人に自己紹介した。
すると、女の方———黒神くじらが眉を上げた。
「・・・なぁ、あんた仮面ライダーじゃないのか?」
「え゛」
まさかの返答に城戸は驚いた。
「何で知ってるんだ!?」
「俺が教えたからよーん、キドチャン。かくゆぅごぅろぉにさぁ〜、とびこんでみたらぁ〜」
くじらの代わりに答えたのはタバコを吸いながら歌っている良馬だった。
「ミラーワールドのこととか、契約モンスターのこととかは全部良馬の旦那から聞いてるぜ?嘘っぽかったとは思ったが、本当にいたんだな」
「ホントかっけぇ!!デビルかっけぇ!!」
淡々と話すくじらとなぜかハイテンションな人吉(あと、某組曲を歌い続ける良馬)に、ただ城戸はびっくりし続けていた。
(・・・って言うかあれ?俺良馬さんにドラグレッダーのこと竜馬さんに言ってないはずなんだけど・・・)
城戸が良馬への疑問を募らせていたその時、良馬が歌うのを止めて両手を叩いた。
「よーし、合流できたことだし本番行くかー」
「え?」
良馬が言い終えたその刹那。
体育館の壁が吹っ飛んだ。
「!!!」
城戸は反射的にカードを発動させた。

【ガードベント ドラグシールド】

城戸は出現した盾で飛んでくる瓦礫から身を守った。
体育館に人影が入ってくる。
和服で能の仮面を被った男が三人と、黒いマントを羽織った少女。
男達はロケットランチャーやアサルトライフルを持っている。
おそらく体育館を破壊したのはこいつらだろう。
そして、異常な空気を纏った少女が口を開いた。
「御機嫌よう、ベルフェゴール。———いや、花黒良馬。」
城戸は少女の笑みを見て自分の仮説が当たったことを悟った。





私ハワラッタ。
貴方モワラッタ。
 


貴方モ私と変ワナイノニ
ナンデ貴方ハ心ノ底カラワラエルノ?