二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リリなの衛宮士郎に憧れたもの改 ( No.23 )
- 日時: 2013/01/05 15:13
- 名前: れ、れ、れ、霊 (ID: JryR3G2V)
- 参照: http://www.kakiko./novel/novel3/regist.cgi
視点 フェイト
アルフ「フェイト〜、朝だよ〜。起きなよ〜」
う…ん。
体が揺さぶられているような感覚の中、私は目を覚ました。
目の前には私を揺さぶって起こしているアルフがいた。
「……おはようアルフ」
アルフ「おはようフェイト!」
にっこりと笑うアルフ。
朝も元気な私の使い魔。
使い魔とは死亡直前、又は死亡直後の動物を利用して、人工の魂を入れて作る人造生物。
魔力が途切れない限り消えることはない、頼もしいパートナーの事。
…私は誰に向かって説明してるんだろう?
まだ眠たい体に鞭を撃ち、ベッドからのそのそと出る。
「…バリアジャケット着たまま寝ちゃった」
あの子と話した後すぐ寝ちゃってたんだ。
…そういえば名前を聞いていなかった。
とりあえず、朝食を食べようとキッチンへ移動する。
「いい匂い…」
ガチャッ、とドアを開けると、いい匂いが鼻孔をくすぐってきた。
…思わずお腹が鳴りそうになるけど、我慢する。
いい匂いが漂ってくるのはどうやら机の上にある肉じゃが達が原因のよう。
雪「おはようございます。早起きですねぇ」
「…あなたよりは遅い」
雪「それでも早いじゃないですか。今はまだ五時になったところですよ」
洗面台の所には、右眼に眼帯をしたつい最近家に住み着いているあの子がいた。
…この子の印象は、謎が多くてよく分からないけど…何かとても大きく暗い物を抱えてるような気がする。
後、いつもニコニコしてるけど…少し不器用な感じがする。
けど、私には関係ない。
雪「ご飯…作りましたけど食べますか?」
「…食べる」
アルフ「…あたしもいただくよ。けど、その前にあんたが食べな」
どうもアルフは警戒してるらしい。
私も最低限の警戒はしてるけど、そんなに悪い子には見えないからかな?
雪「そうですか、では」
あの子はそういい、肉じゃがを一口食べた。
雪「う〜ん。微妙ですね」
すると、笑っている顔が少し悲しそうに見えた。
雪「さぁ、どうぞどうぞ」
アルフ「…微妙な物を人に食わすかい?普通」
雪「いや、これ二時間かけて作ったんですけどね…はは」
あの子はぽりぽりと笑ったまま恥ずかしそうに頬をかいた。
…本当にずっと笑ってる。
アルフ「二時間って、アンタこれ三時から作ってたのかい?」
アルフは少し呆れながら言った。
雪「ははは・・・はぁ」
あの子はがくりっ、と項垂れた。
雪「まぁ、どうぞ。食べてみてください」
「……」
私は椅子に座り、アルフも渋々とだけど、用意してあった料理を机の上にあった箸で食べた。
「!!…美味しい」
アルフ「ちょ、ホントにこれで微妙かい!?」
アルフはそのままガツガツと生きよいよく食べる。
でも、本当にこれ美味しい。
何だろう…とても懐かしい気がする。
昔…何所かで食べた様な……そうだ、昔母さんが作ってくれた味に、ううん。
よく分からないけど『温かさ』、そう、心がほっこりするような…
雪「テスタロッサさん。大丈夫ですか?」
「何、が?」
雪「だって、涙が零れていますよ」
「え…」
本当だ…自分の頬を触ってみたけど、温かい涙の感触がした。
———何で泣いているんだろう?
分からない。分からないけど、どんどん流れてきて止まらない。
雪「…テスタロッサさん」
頭上から声がしたと思い、顔を上げると
ポフッ
頭に手が置かれ、そのまま撫でられる。
雪「どのような事情があるかは分かりませんが、貴方の様な年の子は、無理をしてはいけませんよ。疲れたなら、休んでください。悲しかったら、泣いてください。楽しかったら、笑ってください。何か困ったことがあるなら、頼ってください。力になれるとは思いませんが、よければ僕がいえ、アルフさんと力になりますよ」
「…う……ん」
なんだか、嬉しくなった。
そしたら、涙は止まらないけど、にっこりと笑った。
雪「そうですか…よかったです」
するとあの子も、不器用な笑いかたじゃなくて、ちゃんとした笑みだった。
そしたら、もっとうれしくなった。
…これはどういう気持だろう?
視点 フェイトOUT
視点 アルフ
…ご飯を食べてる途中、フェイトから感情がどっと、流れてきた。
どんな感じかっていうと、なんていうか、その…温かい感情が流れてきたんだよ。
アタシがまだ使い魔になる前、母さんに甘えていた時と同じ感じがしたんだよね。
…フェイトの方をチラって見たけど、あいつに撫でられてうれしそうにしてたんだよね。
…その、なんだ、アイツもそんなに悪い奴じゃないって思ったんだよ。
そ、それだけだよ!別に他意はないよ!!
視点 アルフOUT
視点 雪地
そういえば…あんなにも小さい子が、親の愛情を十分に受けて無いんだよな。
フェイト達が使った食器を洗いながら思う。
ちなみにフェイト達はまたジェルシードを探しに行っている。
俺は留守番ってわけ。その間、家事を終わらしておいて、今最後の家事の食器洗い中。
えっ?口調が変わってるだって??
そりゃ…ねぇ…。
洗い物をすませた俺は、バスルームの前にある洗面台の鏡に目を向ける。
「…姿が戻っちまったんだよ。前世の頃の…姿に」
そう、俺の姿は前世のころに戻ってしまった。
フェイト達を見送った後、体が急に光ったと思ったら、この格好だし。
口調は変身してると自然にそうなっちまうし、仕方ねぇよ。
ちなみに俺の姿は、お姉ちゃんより少し目が丸くて、黒髪黒目…のはずなんだけど、碧眼で白髪のオールバックになっている。服装は、これもまた全部黒色でジーンズ、Tシャツ、ジャケット、ブーツ(ボタンはすべて開いている)を着ている。ああ、ちなみに体のサイズは身長178の大人の姿だ。
これも『退化する力』の影響なのか?
………まぁ、どうでもいいや。弓矢には変身できそうだし、アレンに変身出来なくても、イノセンスは右手に宿ってるし。
その証拠に、右手は禍々しく赤黒の皮膚になっているしな。
なんか変身してから気分が変わった。ちょっと散歩して来よう。
「もしものために書置きは残しておいて…あと戸締りもしっかりしてと」
しっかりと戸締りや、出発の準備をし、外に出かける。
「あっと、鍵忘れてた」
封印のカードからフェイトの部屋のかぎを召喚し、閉める。
「それじゃ、行くかな」
にやりと笑い、俺はマンションを出た後、まずは公園に行くことにした。