二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リリなの衛宮士郎に憧れたもの改 ( No.31 )
- 日時: 2013/03/03 13:29
- 名前: れ、れ、れ、霊 (ID: JryR3G2V)
- 参照: http//www.kakiko./novel/novel3/regist.cgi
視点 フェイト
ダメだ…もう無理だよ。
「フェイト!!しっかりして!!?」
何処からともなく一番の相棒、アルフの声が聞こえてくる。
だけど、それをしっかりと言葉で返事することは出来ない。
私は大丈夫って意味で魔力弾をジェルシードの暴走体にぶつける。
『ガァァァァァァァァァァァァァァ!!!!』
だけど、さっきまでは効いてた魔力弾も、今の暴走体は気にした表情を見せることなく、私に突っ込んでくる。
思えば…どうしてこんな事になったんだろう?
………そうだ、確か今日やっと見つけたジェルシードを封印しようとした所で、もう一つのジェルシードがあった。
この森には二つのジェルシードがあった。今回暴走したのはその一つ。
だったんだけど…最初のジェルシードの暴走に便乗して、もう一つのジェルシードが融合した。
もう手に負えないくらいに…大分考え込んでいたけど、もう時間が止まって見えるくらいに暴走体が突っ込んでくるけれど…避けられる余力がもう無い。
ああ……私はもう、死んじゃうのかなぁ?
そう思っていると、どんどん申し訳なくなってきた。
まずはお母さんに…ジェルシードを集められなくてごめんなさい。
昔のお母さんに戻ってもらえると思っていたけど…ダメみたい。
次にアルフ…ごめんね、今までずっと一緒に居てくれてありがとう。
先に逝っちゃうけど…って、私が死ぬとアルフも魔力供給が無くなって死んじゃうんだっけ?
最後に…名前の知らないあの子、美味しいご飯を作ってくれてありがとう。
私が泣いている時に、慰めてくれてありがとう。
…あの子なら、私を助けてくれるのかな?
ダメ…もしものことを考えても、きっと無理だから。
あの子の体は治って無いし(フェイトは気づいてないだけで治っています)、
それに魔力もない。だから、ジェルシードの反応も感じ取れない。
(フェイトさんが知らないだけで、気配がするとの理由により気付きます)
だけど………
「彼なら…助けてくれるかな?」
そして、私は自嘲気味に笑った。
「任せとけぇぇぇぇぇ!!!!!」
視点 フェイトOUT
視点 雪地
クッソ!!間に合えよ…っ!
「オラオラオラオラオラオラオラ!!!!」
風震を極限まで駆使し、空を駆け抜ける。
いずれ結界にぶち当たったが、どうやらこの小太刀の一本は魔法を無力化することが出来るらしい。
縦に一閃、小さい穴を作りそこから結界内へ侵入する。
中では先程の化け物が、フェイトに突っ込んでいった。
ダメだ!!フェイトは避けられる状態じゃない…このままじゃ……。
———死ぬ。
俺の頭にその言葉がよぎった。
焦りながらも何とかフェイトを助けようと考えるが、このままじゃ届かねぇ。
炎魔の力を使うしかねぇな。
だが、それじゃあ庇うだけしか出来ねぇ。
俺の体…耐えられるか?
否…余裕だ。
「 “炎魔の力”(ブレイズブレイク)」
ボオォ、と体が一瞬炎に包まれる。
その瞬間、体が異形なる者へと変わった。
体の能力が跳ね上がり、先程の二倍ほどの速度でフェイトと化け物の間まで突っ走る。
その時、普通では聞こえないほどの小さな言葉が、俺の耳に届いた。
「彼なら…助けてくれるかな?」
何所か自分を嘲笑った様な声で、確かに助けてほしいと願った。
「任せとけぇぇぇぇぇ!!!!!」
空中を滑るようにフェイトの首筋を掴み、アルフの方へと放り投げる。
「「え!!?」」
アルフとフェイトから驚きの声が聞こえるが、反応している暇はない。
「ガハァッ!!」
『グギャァァァァァァァ!!!』
俺は…ジェルシード暴走体に、腹を貫かれた。
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
フェイトから悲痛の叫び声が聞こえてくる。
「……残念」
ニッ、と俺は不敵に笑い、暴走体の首を掴む。
「え、ええぇ???」
今度はアルフから疑問の声が上がる。
それはなぜか?
いたって簡単…なぜなら、俺の胴体が炎になっていたから。
「案外試してみるもんだな…さて、化け物?反撃と行かせてもらうぜ!!」
そのまま化け物の首を持ち上げ、投げ飛ばす。
「まだまだ行くぜ!!」
今度はこっちの番と行かせてもらうぜ?
投げ飛ばした後、背中の太刀を引き抜き、切りかかる。
『ガァァァァァァァ!!!』
「おっと!まだまだぁぁぁぁ!!」
化け物が大きな羽を振り、竜巻を起こしたがそれを上に飛ぶことで避け、奴の胸を貫く。
が…
『ギャォォォォォォ』
「なっ!?」
すると、何を考えたか化け物がフェイト達の方に突っ込んでいった。
「え…」
フェイト達もいきなりの事で反応できなかった。
そして化け物は…フェイト達に襲い掛かった。
「させねぇ!!」
またもやフェイト達の前に立ち、化け物の動きを止める。
「ぐ、ぐぐぐぐ」
段々追い詰められていく。
ち、全力を出したら…体から、炎が噴き出しちまう。
やばい…このままじゃ、フェイト達にも炎が届いちまう。
「おい!さっさとフェイトを連れてけ!!」
「で、でもアンタが」
「俺の事は、放って、おけ。命の恩人を、死なせる、訳には、いかねぇ。
何よりも…」
俺はいったん区切ってから、首だけ動かし後ろを振り向く。
「母親の為に、ここまで頑張れる子を、手伝いたくなっちまっただけだ」
これは俺の本心でもある。スルナ達も、三人とも両親は死んじまったが、育て親でもある婆さんに一生懸命恩返ししてた。
そう言う所に…。
「惚れちまったんだよなぁ」
「!!(///////)」
あ、やべ。口に出してた、ありゃフェイト完全に勘違いしやがってんな。
って、そんな事よりも。
「さっさと行け!足手まといだ!!」
「ッ!?…分かった。絶対死ぬんじゃないよ!!」
後ろからアルフとフェイトの気配が消えた。
…さて、と。
俺はまるで悪魔の様な…いや、悪魔の笑みを浮かべ、一気に力を込める。
「くたばれ…“破壊の業火”」
先程まで俺がつかんでいた羽から、白い炎が現れる。
そして、一瞬で化け物を燃やし尽くした。
「あ〜あ、ジェルシードは何とか燃え尽きなかったか。加減難いんだよな」
これでもまだ加減していたんだが、やっぱ全力出さないと体に悪ぃんだよな。
さっきまで風疹を全力で使っていたから地味に疲れてきた。
ちなみに今は背中から翼を出して飛んでいる。
…悪魔の特権だな。
「じゃあ、帰るか」
〜回想終了〜
と、言うわけで今に至ります。
まだフェイトさんからの誤解が解けておらず、目すら合わせてもくれません。
「え〜とアルフさん」
「…何だい?」
アルフさんも機嫌が悪いしですし…はぁ、不幸です。
「僕もうここから出ていきますんで」
「そうかい…って、ええ!?」
今まで素っ気なく返事していたアルフさんも驚きの声を上げます。
フェイトさんは…何か考えこと中ですね。
「もう体の傷も全快してますし、ジェルシードも二つとも渡しましたので、僕の出番はこれで終わりですね」
玄関まで移動し、靴を履いて外のドアに手を掛けると
「ま、待ちなよ。もう少しゆっくりしてったら「いいえ、これ以上は迷惑ですので…今までお世話になりました」…そうかい」
「はい、お世話になりました。また縁があれば会いましょう」
こうして僕は…フェイトさんの元を去りました。
視点 雪地OUT