二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

♯人間と魔女の対立説 ( No.1 )
日時: 2012/09/14 15:55
名前: 月雫 紅瑠璃 (ID: DkN/A4kL)
参照: 懲りずにまたまた作成しちまったよ俺…orz

『或る白魔道士は云った、
—————〝人間と魔女は共存し合うべきだ〟



或る黒魔道士は云った、
—————〝人間と魔女が共存するから世界があり、文明が開花し新たな未来が生まれるんだ〟



或る導士が云った、
—————〝魔女の魔力と知恵、人の子の力があれば何かを生み出せる〟』



古びたロッキングチェアに座って読書をしている少年の名前は『イヴ・ペガサス』。
彼は三つの文章だけ目を通してから本をパタムと閉じ、椅子から降りる。

『またくだらない本でも読んでんのかよ』

イヴが椅子から降りた瞬間声が聴こえた。
聴こえる方に視線を向ければ青紫の無地にワインレッドの斑模様が混ざり合った普段よく見掛ける大きさと比べて少し大きい蝶々が飛んでいた。
蝶はフワリと一人用のソファの上に向かい、そして人へと姿を変え、ワインレッドの瞳をイヴに向けた。

「何度も言うけどくだらなくなんかないよ、アーツ」
「いや、くだらないだろ。人間と魔女が共存なんて馬鹿馬鹿しいにも程がある。
例え共存できても直ぐ否定する奴が現れて関係を打ち壊す」
「…俺は数万年間の間人間と魔女の戦争、〝聖戦〟を見続けてきた。
人間は俺達魔女を災いを呼ぶ者・人間の亜種として見なされてきた。
魔女も人間は力を欲する欲深き獣として見なしてきた。
でも、だからといって互いを傷付けるのは良くないし。だから…———」
「この本の通り人間と仲良くして欲しいってか? 其れは無理な御相談だな」
「ッ、」
「良く考えてみろ。人間はピンチな時に助けを求めるのに他人がピンチな時は助けない愚かな生き物だ。
そんな恩を仇で返すような野蛮な生き物となんか交流出来るかっての」

アーツと呼ばれた少年はそう吐き捨てると直ぐにソファの上で横になり眠りに就いてしまった。
悲しげな表情でイヴはアーツに向かってこう呟いた。





—————〝だったら俺が間違いを正してみせるさ〟





another title/対立しても無意味なだけ