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「命令1」

「おーい、席につけー
大っ事な話があるぞー」
とKY田口こと喜愛田口先生が入ってきた。
渋々自分の席に座り頬杖を付く。
「えー、大事な話っていうのは、転入生が来てるっていうことだ。はいって来い」
そうドアの外にいる人物を手招きをした。
どうみてもヤル気がなさそうだ。
その言葉に反応して入ってきた人物は…
一言で言うと美少女だった。
腰の辺りまで長く伸びた髪、今まで一度も日に焼けた事の無いような真珠のような肌、透き通るような彼女の目はかなり澄み渡っている。
背は美礼と同じくらいだ。
彼女に見取れていると後ろの席の美礼に突付かれたが、そんな些細な事は気にならない。
彼女は笑顔で手話を始める。
って、手話？
「えっとな、こいつの名前は三奈月桜だ。桜は昔色々あってしゃべれなくなってしまっているが、紙とか使ってしゃべってやってくれ。昔の事あんまり聞くんじゃないぞー」
田口はそう言って黒板に大きく『自習』と書いて出て行った。