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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.10 )
- 日時: 2012/10/08 21:08
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
3話 闇夜に輝くは
大通りに飛び出した少年が見た色は総合して3色だ。
「あ、うあ…」
紅。銀白。そして、浅葱。
「ひ、ひひひ…」
「血を、啜って、る…?」
先程の悲鳴の主であろう男の体に、二人の男が圧し掛かっている。
そしてその男達は……男の傷口から血を啜っていた。
「足り、ない…!」
血が足りない。そういう意味だったに違いない。そして男達は
「お前の、血…!」
「寄越せぇ!!」
標的を、少年へと移した。
「うがぁぁぁっ!!」
「せ、静止!!」
少年が一言単語を発した途端、右目が微かに光る。
光が瞬いたのだ。そして同時に、少年に刀を振り
降ろそうとした男も、何故かそのままの体勢で、
ぴたりと止まっていた。
「ふぅ…」
ホッと胸をなでおろす少年に、スッと影が差す。
その時思い出した。
「あ……!」
男はもう一人いたと。
「うあァァァァッ!!!」
最後に感じたのは、右目部への熱。
そして微かに視界の端に見たのは、己のものであろう
闇夜に輝く鮮血と、自分の方にかけよってくる
浅黄色とだんだら模様の白だった。
大通りについた土方達が見たのは、右目部から血を
流して気を失いかけている少年。
そしてその少年を殺そうとしている
「ッ!総司、原田ッ!!」
その男達こそ、自分達の探している『羅刹』達に
違い無かった。
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