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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.12 )
- 日時: 2012/10/13 11:13
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
4話 夜劇の終焉
駆けつけた土方達は、そこに広がる光景に目を丸くした。
原田と沖田が羅刹を狩り、事態は収束したかに思われた。
……そう。被害者、目撃者さえいなければ。
「で。どうします土方さん?」
「さすがにまずくねぇか?」
駆けよってきた沖田と原田。そして原田が抱きかかえているのは、
右目を負傷した例の少年だった。今その右目には、手拭いがおかれ
晒で固定されている。止血のためだ。
「傷はよく見てないけど、失明はなさそうですよ。」
肩をすくめながら報告する沖田の様子を見て、本当に大丈夫だろうと
感じた。沖田はそういう男だ。
「でも、かなり出血してたからな。ちゃんと手当てした方がいい。」
「今山崎はいねぇからな…千鶴に診てもらうか。」
屯所にいる医療に長ける少女の名前を出し、土方は指示を下した。
「原田はそいつを連れて屯所に戻ってくれ。後片付けは俺と総司で
やっておく。」
「おし、わかった!」
「えぇ?僕もやるんですかぁ?」
了解し走り去る原田を見送りながら、沖田が不満げに声を上げる。
「たりめぇだろうが!動け総司!!」
はいはい。と言いながら羅刹達の羽織を脱がせて回収する。これは、
この化け物たちが自分達の仲間だと知らせないためだ。
…そう、新選組の仲間でない事を。
「死体はその辺に放っておけ。」
「はーい。にしても、こんな大通りでやられちゃうなんて。クク」
「笑い事じゃねぇよ」
表向きには、血塗られた夜劇は幕を閉じたのであった。
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