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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.4 )
- 日時: 2012/09/23 12:53
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
一話 鬼の子
夕方。あと一刻もしない内に日が沈むかという頃。ある旅籠から
一六歳くらいの少年がでてきた。
「ほ、ほんまに。すみません…」
「いえ、結構です。」
ペコペコ頭を下げる店主に一言だけ告げると、旅用の藁笠を目深に
被り、その場を足早に去る。
「何やの、あの子の…」
「あぁ恐ろしなぁ。きっと鬼の子や…。」
京の町人たちが、少年の顔を見てひそひそ話し始める。それを気にして
いるのか、ただ急いでいるだけなのか、少年は早足だ。
「…鬼の子、ね…。」
噂する町人にちらりと視線を走らせ自嘲気味に呟いてから、少年は
何処ともなく去った。
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