二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.9 )
日時: 2012/09/30 09:39
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

久しぶりの、更新いっきまーす!


二話 浅黄色の風

三日月が照らす僅かな光の中、浅黄色の風が吹く。土方を先頭に羅刹を
捜索する幹部達だ。数分前に屯所を出たのだが、羅刹は全く見つから
ない。姿を隠しているのか、暴走が止まったのか。どちらにせよ、今の
京市中は不気味なほど静まり返っている。
—このまま見つからないのか?
土方がわずかに思案した時、夜の静寂を一閃に貫くものがあった。

「うぎゃああぁぁぁぁッ!!?」
「!!?」

耳をつんざく様な絶叫に、幹部達は一旦足を止める。しかしそこに
土方の指示が風のように飛んだ。

「新八、斎藤!右通りから回れ!総司と原田は俺とこっちだ!!」
「了解。」
「おうっ!」

土方の指示に従い、幹部達が散っていく。目指す場所はただ一つ。
……京市中・大通り。


青年は小太刀を腕に抱え、眠ろうとしていた。…なのに

「うぎゃああぁぁぁぁッ!!?」
「!??」

耳をつんざくような絶叫。しかも聞こえたのは自分がいる神社のすぐ
裏だ。少年はジンジンする耳を押さえ、脳内に京市中の地図を広げる。
此処に来るまでに覚えた地図だ。

「この裏は…大通りだったような…?」

—…さっきの絶叫は、異常事態のはず。
とっさに考えをまとめて、少年は大通りへ走り出した。