二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

1 ココペリ ( No.7 )
日時: 2012/10/27 21:35
名前: tawata ◆Roz37FRKJ6 (ID: t7vTPcg3)



 バキッ、メシリ、と。
 何重にも重ねられた装甲が次々と貫かれていく。
「凄え……」
 感嘆の声を漏らす子供達を特に気にせず、ココペリはその剣を引き抜く。
 そしてそれをもう一度突き入れようとした時、敵の装甲の隙間から光が放たれた。
 コックピットに強い衝撃が来る。
「っ、今みたいに攻撃を受けたとき、その衝撃は減衰してコックピットに伝えられる」
 彼自身にも予想外の攻撃だったのだろうが、臨機応変に解説をする。
 光自体に大した威力は無いものの、それによって出来た僅かな隙は敵を立ち上がらせるに至った。
 再び睨み合う形となった両者。
 すると、そこに入り込んでくる部外者。
 というのも、ここまで異質なものが目立っていると当たり前とも言える。
 軍が出てこない訳がないのだ。
「あれ、戦闘機?」
「かっけぇ、本物なんて初めて見たぜ!」
 部外者の登場で盛り上がりだす子供達だが、ココペリは特に気にしていない。
 今、彼が考えることは、子供達に戦いを教えることと、勝ち残ること。
 彼の「最後」の戦いに、部外者など付け入る余地すら無かった。


「……何だアレは?」
 そんな気の抜けた言葉と共に、飛場ひば空尉は目を疑った。
 巨大な二体の……何だろうか。
 黒い二つの物体が海上で戦っている。
 数々の修羅場を潜って来た国防省のエリートである飛場も、こんな状況は初だった。
 SF映画でも見ているような、あまりにも現実的でない光景。
 騒ぎを沈静化しろ、という指示を一瞬忘れたものの、すぐに平常心に戻る。
 しかし、これを止められるものかと考える。
 ともかく、あれへの攻撃からだと、通信を始める。
「全機、攻撃開始せよ」
『了解!』
 国防軍が誇る戦闘機四機が一斉にミサイルを放つ。
 長距離滞空能力を持つ自立型空対空ミサイル、91式空対空誘導弾は狙い違わず二つの異物に突っ込む。
 爆発音と共に煙が上がる。
「やったか?」
 煙が引くのを見計らい、飛場が戦闘機を近づける。
『隊長! 危険です!』
 部下達の心配よりも、飛場が率先すべきは任を果たすことだった。
 あれは倒したのか、倒してないならば、どの程度の損傷を与え、後何発で倒れるのか。
 煙が晴れ、その先に飛場空尉が見たものは——