二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: デュエル・マスターズ カミカゼ伝 ( No.97 )
- 日時: 2013/01/02 15:00
- 名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 39RfU1Y2)
第五話 復活した相棒
無頼シントは最近、休み時間は教室で寝る事が多くなった。親友の武闘フジと、水澤カナデからみたら心配の対象だ。
「シントのヤツまた元気なくしちまったな。」
「心配ですよ。見てるこっちからは。一日も早く立ち直って欲しいですよ。というより、もう今日はシントさんの誕生日なのに。」
「お前プレゼントとか用意したか?」
「全然ですよ・・・。」
今日はシントの誕生日なのだ。
「アイツ、なんで闇エンジェルに切り替えたか知ってるか?」
「いえ・・・。」
「相棒を失った、なんとも言えない喪失感を埋めるためだと俺は思う。
別になんの種族でも良い。」
「相棒って・・・。テツヤさんですか?」
「いや、事故はそのもっと後。そうだろう?」
「ああ・・・。そうでした。」
(8ヶ月前フジ視点)
俺はデュエマに負けたばかりだった。
「・・・強いな・・・。デッキ変えたのか?」
「へへ。そうさ!こいつらは今や、俺のエースメンバーだ。」
「いいのか?『轟』がいなくても。」
「・・・平気さ。」
本当はこいつ、『轟』を思い出すのが辛いから、ドラゴンとは縁の無い闇エンジェルを使い始めたんじゃ・・・。
(現代)
「だが、最近タイタニス人の襲来時、あいつ連ドラを使ってただろ。結局、もう一人の自分にあげたがな。多分、悟られるのが怖くて無理に使ってたんじゃないかってな。」
「・・・・。」
「だが、その心配は無い。アレはもう復元しておいたからな・・・。」
フジは何か隠していそうだった。
「今日が無頼シントにとって最高の一日になるようにな。サプライズを用意してんのさ。」
(帰り道シント視点)
「あ〜あつまんね・・・。」
俺は家に向かってトボトボ歩いていた。何もしていないのに、ヘトヘト状態なのだ。その時!
「やい、無頼シント!」
「!?」
この人は・・・・・。誰?コスプレした変態オヤジがいるぞ!
「この覆面デュエリスト、Kと勝負し・・・。」
「サーセン変態には興味ないんで・・・・。」
「フフフ・・・。じゃあ、この娘がどうなってもいいのかね?」
「!」
Kの指先には、電柱があった。そしてそこには、水澤が縛られていたのである!
「水澤ッ!くそぉ・・・・!」
「シントさん!助けてください!」
「ふふふ・・・。やる気になったかね?」
「今すぐ警察に通報してやるーッ!!!」
「そうなるのねー!」
ピポパっと・・・。110番110番・・・。
「あれ?つながらない・・・。」
「ハハハハハ!!!私の超能力さえあれば、携帯電話の電波を遮断することぐらい、スーマリの8−城をクリアすることより簡単なのだ!」
「何故スーマリ!?何故8−城!?」
くそ・・・。こうなったら相手してやる!でも俺、デッキ持ってな・・・ん?
「あったーっ!超偶然だけど、足下にデッキが落ちてたァー!ちょっと悪いけど、使わせて頂くぜ!デュエマ・スタート!!」
15ターン目。
「【爆竜ベルナルド・タイソン】でとどめ!」
「はぎょぺー!!!覚えてろォー!!」
弱かったな。さて、かえ・・・。
「私のこと助けろォー!!!」
「あ、水澤。」
10分後・・・・。
「あのKってやつの仲間が、武闘ビルに爆弾を仕掛けたって言ってたんですよ!急ぎましょう!」
「えええええええ!?爆弾!?」
(武闘ビルにて)
「私の名は、J!ははははは!このビルは我々、ガッツン団が制圧・・・。」
「どきやがれ、ごらぁ!デュエマ・スタート!」
14ターン目。
「【バルキリー・ドラゴン】でトドメ!どけこらぁー!」
「あーれー!」
俺達は、Jを蹴り飛ばし先に進む。
「うぐぐ・・・。爆弾の場所は・・・・。B3階に・・・。」
「なにっ!爆弾は地下にあるのか!」
こうなれば、突き進むしかない。
「俺は、G!」
以下省略、勝者シント。
「ぎゃー!省略されたー!覚えてろぉー!」
「急ぐぞ!」
そして、地下3階。
「・・・・。ここに爆弾が!」
「急ぎましょう!」
走っていくと、そこには扉。についていたのは・・・。
「時限爆だーん!ここにあったよ!」
「とりあえず、コードを切りましょう!赤と青、どっちですか!」
「えーと・・・。どっちかな♪どっちかな♪」
「ふざけんなぁー!」
とりあえず、赤にしよう。
「じゃあ、赤で。」
するとピーと音がして・・・。
「失敗したぁぁあああ!!!!!」
何も起こらない。俺はカチンと来た。
「ふざけんな!紛らわしい・・・。」
「扉の先に進みますよ!」
「え?何で・・・・。」
「いいからっ!こっち!」
引っ張られ、俺は部屋に入った。その瞬間、暗い部屋に明かりが灯り、パーンと音がした。そして、
「シント、お誕生日おめでとーう!」
「!?」
ガッツン団の奴らと、武闘が拍手を送る。水澤も、紙吹雪をまく。何故か母さんと父さんも・・・。訳が分からない。
「あのー・・・。これは・・・。」
「見たとおりだよアホシント。お前のサプライズパーティだ。」
「何でこんな大がかりなこと・・・・。どうやったんだ!説明してくれ!」
「フフ・・・。説明しよう。まず、お前が通ってくるところに、Kとデッキを配置。次に水澤を縛っておく。もちろん彼女には、説明してるぜ。良い演技してくれたからな。」
「へへへ・・・。どうでしたか?」
「で、警察につながらなかったのは?」
「あれはただ単に、妨害電波流しただけだ。」
ちっ・・・。やられたぜ・・・。こんな子供だましに引っかかるなんてよ。
「事件自体が、パーティだったんですよ!シントさんが最近元気ないから・・・。」
「う・・・、ごめんな。俺、みんなに心配掛けてたんだ。」
「びっくりするのはまだだぜ。まず、プレゼント1そのデッキ。連ドラ
だぜ。」
「うわっ!まじかよ!改めて見ると、欲しい物がみんな入ってる!でも、一枚足りない・・・。」
感謝の気持ちで、いっぱいだ。だけど、疑問が残る。
「そして、もう一つのプレゼントは・・・・。」
『俺だ、シント。』
「!!その声・・・。『轟』かっ!『轟』なのかぁ!!お前は消滅したはずじゃ・・・。」
「俺達、武闘グループの力で修復しといたんだ。僅かに残った端切れからな・・・。後は、そのままにしとけば時間は掛かるが、自然に治るからな。ホラ、【吠えろ魂!鬼ビルダー『轟』】!」
「ありがとうな・・・。ありがとうな・・・!」
俺の目から、自然に涙がこぼれた。
「おいおい泣く事ねーだろ!俺らが勝手にやったことだしよ。」
「ううん・・・。サンキューな!おかげで立ち直れた!」
「じゃあ、今日はみんなを呼んでデュエマ大会だな!」
「ああ!」
そのままパーティは3時間続いたが、みんな明日提出する宿題に泣くことになったのは、言うまでもない。
第五話 (完)