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　プロローグ


　帝光中学校、バスケットボール部。
　部員数は100を超え、全中三連覇を誇る超強豪校。

　その輝かしい歴史の中でも特に、「最強」と呼ばれ、無敗を誇った。
　10人に1人の天才が5人同時にいた世代は、
　「キセキの世代」といわれている。

　が、「キセキの世代」には、奇妙な噂があった。
　誰も知らない、試合記録もない。
　にも関わらず、天才5人が一目置いていた選手がもう一人。


　幻の6人目がいた————と。








　「くぁぁぁぁっっ!!!」
　少女は、大きく背伸びをした。
　背伸びした時、変な声を出したのは気にしない。
　あくびを噛みしめ、支度をする。
　今日は、大事な日なのだ。遅れるわけには…いかない。
　きっと、今日多くの人が胸を弾ませているだろう。
　今日は、高校の入学式だ……。



　そして、少女、白雲　汐里もその一人だ。
　支度が済み、家をでる。
　「行ってきます…。」
　早足になる足をなんとか抑え、歩き出す。