二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.221 )
日時: 2012/10/17 18:14
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

その夜遅く、自宅の2階にある部屋でゆっくり過ごしていた。
シャワーを浴び終えて、パジャマに着替えた。後はバンが来るのを待つだけ。

(・・・・・・にしても、遅いな)

時計を見ると、深夜1時ちょうど。
酒を飲み過ぎたことなんて有り得るものか。

「・・・・・・まさかねぇ〜」

そう言って呟いたその時、どこからか物音が微かに聞こえてくる。
しかも恐怖を感じ取るくらいまでには至らなかったが、バンが帰ってきたのかもしれない。

(ここじゃなさそうだけど・・・・・・とりあえず、外に行って様子を見てこようかな)

秋だから寒くなってきたというのもあって、上着にカーディガンを羽織った。
階段を駆け下り、1階に着いた私は玄関に向かってダッシュする。

『ガチャ・・・・・・』

ドアを開けると、誰もいない。シーンと静まり返るし、なんていうか不気味さが増してくる。
どうやら、気のせいかと思っていたその時だった。

『ガタッ』

また出た、微妙な物音が聞こえた。
もしかして、門の前にいるのかと思いながら駆け寄る。
門を開けて出ると、そこに誰かが横たわっているのを見つけた。

(ギャー! 誰かいる・・・・・・ってあれ?)

よーく目を凝らしてみると・・・・・・見覚えのある青年が寝ている。
しかも仰向けになって倒れているし、爆睡しているのだろう。

(しょうがないな、もう・・・・・・)

顔をしかめながら、仰向けに倒れ込んで寝ているバンのところに歩み寄る。
小声で話しかけながら、肩を優しく起こした。

「ちょっと起きてよ」
「誰〜?」

眠そうに目を覚ましたバンはトロンとした目で私を見て答える。
その様子を見る限り、かなり飲んでいたということが伺えた。

「誰って、他に誰がいるの?」
「あれ、ハル?」
「そうに決まってるでしょ〜?」

呆れながら答える私は溜息をつき、腕を組んだ。
バンはしまりのない顔でだらしなく呟いて言った。

「ハルだよなぁ〜?」
「いいから、中に入ってよ! 何で、こんなところで寝てんの?」
「眠いんだよ〜寝かしてくれねぇ?」

眠いのは分かるけど、ここで話すのは無理そうだ。
バンに手を差し出しながら、家に入るようにして促した。

「とりあえず、話は私の部屋で聞くから。ほら立って」
「おぉ、サンキュ・・・・・・」

眠そうに私の左手を握って、よっと言いながらもゆっくり立ち上がる。
この酔っ払いの世話をするのが嫌なんだけど、こいつの愚痴くらい聞いてやらないと気がすまない。

「う〜わ、こんなところで寝て。下手したら、車に轢かれてたかもしれないんだよ」
「失礼な〜・・・俺がそんなことで死ぬわけないだろォ?」
「静かにしてよー!」
「も〜う無理だって。何で寝てるって分かったんだ?」
「あーさっき、物音がしたからさ。外を覗いたら寝てたんだよ」

バンと一緒に歩きながら、家の玄関に向かう。
その証拠にふらついているのが何となく、危うくなりそうで怖い。

(こいつ、本当に大丈夫なのかね・・・・・・・)



家の中に入り、2階に通じる階段を駆け上る。
バンはふらつきながら、手すりに掴まって駆け上ってきた。

「ふぃ〜飲み過ぎた・・・・・・」

部屋の中に入るなり、すぐそばの壁に背中を預けて座り込んだ。
いきなり入るかと思えば、そこで寝るつもりか!

「バン、そこで寝たらダメでしょ!」
「うるせえ、そんなのどうだっていいだろォー?」

この酔っ払いをどうにかしないといけないので、仕方なく視線にあわせるようにしてしゃがみこむ。

「さっきの音、寝返りを打った音だったんだわ。きっと・・・・・・」
「な〜に〜? 失礼な〜!」
「失礼なのは、そっちでしょ!!」

バンに向かって突っ込みながら、顔を顰める。
家まで辿り着いたのは良いとして、問題は家の前で寝てたかというところだ。

「何であそこまで帰ってきて、部屋に入らないのかと思ったよ。よりによって、外で寝てんの?」
「そんなことはどうでもいいじゃん」
「いや、よくない! あれだけ飲んで帰ってきて、外で寝てるのおかしいよ」

だから、風邪を引いてしまう可能性もあり得るのだ。
それに車に轢かれてしまう可能性もあったし、危うく死ぬところだった。

「俺は酒を飲むことが一大事なんだぞォ〜」
「そんなこと言ってる暇があったら、さっさと文句を言わすな!」

バコンッ!
怒りの一撃必殺・拳骨がバンの頭にタクティカルヒット!
そのダメージが炸裂したのを受けて、バンは両手で頭を抱えていた。

「いってぇ・・・・・・・」
「あんたが酔っ払うと、ろくなことにならんわ!」
「なんだよ、ハル・・・・・・ふてくされてんの?」

いってぇ〜と言いながら、眠そうに私を見て呟いた。
飲み過ぎはいけないと分かっていて、そこまで酔い潰れる必要はない。

「ふてくされるどころか、呆れてるよ」
「何だとォ〜?」

この酔っ払いの相手をするのが大変なわけで、本当に困る。