二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.366 )
- 日時: 2012/10/30 21:43
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第15章の続き
(ストーリーモード:バン)
放課後、帰り道をゆっくり歩いていた。
俺は昨日の出来事を思い返してみる。
(そういや、リンがいないんだったな・・・)
昨日は酒飲んだり、お互いに健太たちとふざけあいながらも楽しく話すことができた。
酒を飲んで寝た頃には、既に戻ってこなかった・・・気付けば、やっと起きたのが11時ちょうど。
(その時、俺はベッドにダイブして寝転がっていた・・・)
その後に優雅から連絡が来て、リンが誘拐されたことをやっと知った。
現時点で何が起きたのかという状況を飲み込めないでいたし、優雅から聞いた話だと大学近くの駐車場に止められていたんだよな。
(あの時、酒を飲まなければ済んだかもしれないのに・・・)
頭を抱えながら、酒を飲まなきゃ良かったとつくづく思う。
そんなことを思っていても仕方がない・・・誰か目撃した人はいないかな。
そう思いながら考え込んでいたその時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「あら、バン君じゃない!」
後ろを振り返ると近所に住むお喋り好きの白井さんだった。
この人は女の人だけど、よく喋るんだよね・・・俺も結構、仲良くしてもらっているから話しやすいんだ。
「白井のおばさん、こんにちは!」
「バン君、大学の帰り?」
「うん、そうだよ。ところで、おばさん・・・」
俺は頭をポリポリ掻きながら、白井さんを見て聞くことにした。
この人が見た可能性も高いし、話を聞けるかもしれない。
「んー?」
「昨日の夜、河川敷とかで何か起きなかった?」
試しに聞いてみると・・・白井のおばさんは腕を組みながら思い出していた。
おっ、その様子だと何か知っていそうだ。
「そういえば、2人組の男女がリンちゃんの前に立ちはだがっていたのを見かけたわ」
「それ、何時頃だったか覚えてる?」
「確か、9時〜10時頃だったと思うな」
俺が起きる2時間前か・・・ということは河川敷とかで何か起きた可能性が高いということになる。
白井のおばさんはその時に雑音らしきものを聞いたという。
「そういえば、河川敷で見てたんだけど・・・あの2人組のうち、1人はリンちゃんより背が高くて、体格がガッチリしていたわ。もう1人は女みたいで、背は低いはずだよ」
2人組の男女?
そいつらがキラード団の一味だという可能性が高まってきた。
当時はどんな服装をしていたかも気になってきたので、おばさんに聞いてみることにした。
「あのさぁ・・・そいつらがどんな服装してたか覚えてる?」
「確か、黒ずくめだったなぁ・・・暗くて分かんなかったけど、後ろに何かのマークがつけられていたのは間違いないわ」
黒ずくめねぇ・・・当時は夜だったから、どんな服装を着ていたのか分からなかったんだ。
じゃあ、服の後ろにつけられていたマークはキラード団という謎の組織を示すものなのか?
「犯人がスタンガンを使ったところは見た?」
「あ、それ見た! リンちゃんたちの首にスタンガンを突きつけて気絶させたところなら目撃したわ」
「本当か? その時、リンはどうしてた?」
「確か、男のことを『キラ』って呼んでた」
キラという名前に聞き覚えがあった。リンの知り合いなんだろうか。
(リンのお守りに入っていた写真に写っていた少年か。あの子が何らかの理由で事件に関与しているのか?)
リンは首にスタンガンのダメージを受け、気絶させられた。
ということは計画的に犯行を企て、その車の中に入れて連れ出そうとしていたのか。
「やっぱり・・・この時点でリンたちは誘拐されたということになるのか」
「そうみたいね。バン君、これからどうするつもり?」
「大丈夫、俺が事件の謎を解き明かしてやるさ」
リンを救い出すために謎を解き明かさなきゃいけない。
あの4人を救出するのは時間がかかると思うが・・・その前に暗号の謎を解き明かすしかない。
そう考えれば、4人が囚われている場所を特定することができる。
「おばさん、俺の話を聞いてくれてサンキューな!」
「えっ・・・」
「じゃあ、俺は帰るからさ!」
白井さんと別れた俺は自宅に向かって走り出した。
何としても解き明かしてやる!!
(リン、待ってろよ。必ず助け出すからな!)
意気込みながら、自宅に戻ったところまでは良かったが・・・その前に謎解きしなきゃいけないかもしれない。
まず、今までの出来事と白井さんから聞いた目撃証言を元にして考えよう。
(昨夜、俺が起きたのは夜中の11時ちょうど・・・)
俺は酒を飲んで寝てしまった。その時、声がして眠そうに目を覚ますとハルたちがいたんだ。
スポーツバッグを持ってきてくれたハルから話を聞いて、リンが攫われたことを知るのに時間がかかった。
(その後、優雅から連絡が来たんだよな)
その時に優雅から連絡が来て、リンと優が誘拐されたことを知る。
(その時、優雅は望月と一緒にいた・・・近くの駐車場に止められていた1台の不審な車の中に2人が入れられていることに気付いた)
1台の車が止められていたのは確かなはずだ。
しかし、その証拠を掴むにはどうしたら良いか考えた。
更に優雅たちを襲ったとされる人物・・・同一犯の可能性が高いと見て良いだろう。
(白井さんが目撃したとされる時間は夜9時〜10時までの間だったな。俺が起きる1〜2時間前ということになる)
白井さんが目撃した時間とヒロがどこかにいた時に騒音らしき雑音を聞いた時間が一致しそうだ。
確か、2人組の特徴について聞いたけど・・・1人はリンより背が高くガッチリしていて、もう1人はその男よりも低いというが、身長はリンと同じ感じだと言っていた。
(それにキラード団とかいう謎の組織の存在が気になるな・・・)
確か、白井さんはこんなことを言っていた。
黒ずくめの服を着ていて、当時は暗くて分からなかった。
しかし、服の裏に何かデザインしたものがつけられていたことから考えると・・・キラード団の一味そのものがデザインした可能性が高い。
(じゃあ、何のためにリンたちを狙おうとしているんだ?)
リンたちを狙おうとしているのには、何らかの理由があるはずだ。
キラード団はいったい、何を目論んで企てようとしているのか?
(キラード団は何の計画を企て、リンたちを攫ってまでどうするつもりなんだ?)
そこが掴めなくて、事件のキーワードとなるものが全くない。
何か重要な手掛かりになるものがないか・・・そこをどうにかすることができないのか。
(くそっ・・・リンはスタンガンを押し付けられて、気絶させられたんだ)
この2人を誘拐するのには時間がかからなかったのかもしれないが・・・どうやって場所を特定できたのか気になる。
ハルたちにも心配かけさせたくないので、1人で調べるしかない。
「うーん・・・目撃証言が出たのは良かったけど、問題はあの暗号メッセージとたった1つだけのヒントかぁー」
腕を組みながら考え込んだ俺は溜息をついた。
確かに目撃証言が出されたのは良かったとして、問題はその場所を示す暗号に関する謎を解き明かさないといけない。
「くそっ・・・何としても謎を解き明かさないといけないんだ!」
そう言って呟きながらも、リンのことが気掛かりでならなかった。
でも、この謎は深まりつつある・・・なんて言えば良いんだろうか、今までにない史上最大の謎と言っていいのではないか。
「とにかく考えなくては・・・」
俺はベッドに横たわりながら、謎解き手帳と呼ばれるメモ帳に記された手掛かりに関するメモを見て謎解きに取り組むことにした。