二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.409 )
- 日時: 2012/11/05 18:19
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
読者の皆様、一気にバンハルバーションも描いていきます。
それでは、バンハルのハロウィン小説スタート!
短編4(バンハル)
タイトル:大人になってからのハロウィン
大学3年生になった秋、その時期によるイベントが近づいた。
それはハロウィンという特別なイベントである。アメリカでハロウィンを体験したことがある私にとっても忘れられない思い出の1つ。
(そういえば、日本ではそんなのやったことがなかったなー)
ハロウィンというのは、仮装して悪戯するものだ。アメリカで幼馴染のルークと一緒によく遊んだことが懐かしい。
しかもお菓子をくれないと悪戯するよーって言いながら楽しむというところがあって面白い。
「ハロウィンかぁ・・・・・・」
大学生になってから、まだやってないというイベントの1つ。
でも、ヒロはこないだのハロウィン・パーティーで酔い潰れたとか言っていたのを思い出す。
【まあ、ナオに悪戯しちゃったから申し訳ないことしたなーって】
その時、流石に反省していたようで動揺を隠せなかったのだろう。
ナオはそれでも楽しめたから、本当に十分ですよって言っていたのだ。
幼馴染のバンは中学時代にハロウィンを体験したことがあったらしく、大学生になってからは、そう言うのやらないからいいよって言い出す始末。
(それがどうしてもやりたいんだよねぇ・・・・・・)
バンはどうでもいいっていうし、何をしたら良いのか分からない。
そう思いながら考え込んでいたその時、ポンと肩を叩かれた。
「どうしたの、ハル?」
そこに現れた青年は船津直紀・・・・・・聴覚障害を持つ同級生で幼馴染の1人だ。
いつも優しい直紀は私の話を聞いてくれるので、バンとの関わりが深いくらいまでに仲良くなっている。
「直紀、ハロウィンってやるものじゃないよね?」
「ハル、急にどうしたんだ?」
「大学生にもなってさ、ハロウィンなんてやらないわけにはいかないよね?」
今どきになって、それを言うかと呟きながら苦笑する直紀。
そんな彼の様子を見て、腹立たしさに顔を顰める。
「バカだな、日本ではそういうのやらないんじゃないの?」
「何よ、アメリカでは何度かやったんだもん。直紀は分かんないだろうけど!」
「まあ、そう怒るなって。僕もやったことがないから分からないんだよね」
「え、そうなの?」
そういえば、直紀は実の兄に虐待されていたという壮絶な過去を背負っていたのだ。
幼い頃からずっと耳の聞こえる両親の元で育った彼はイベントというものを体験したことがなかったのだろう。
「だったらさ、バンに悪戯したいと思わない?」
「いや、別に・・・・・・僕はそう言うのに興味がないんだ」
「酷い! バンにも文句を言ってやらなきゃ!!」
そう言いながら、直紀に突っ込みを入れた時に背後から抑えるような感じがして振り返った。
そこにいたのは、さっきまで話していた幼馴染の山野バン。顔を顰めながら、話を聞いていたのだろう。
「俺が誰に悪戯されるって?」
「バン・・・・・・・」
「お、直紀もいたのか。それよりも何の話をしてんだ、おまえら」
「ハロウィンの話してたんだけど、直紀はやらないって言うんだもん」
「あーなるほどな、直紀も1度は体験した方が良いと思うぞ」
私の話を聞きながら、隣の席に座ったバンは溜息をついて答えた。
直紀にとって経験したことのないイベントを楽しませてやりたいというのもあった。
それでも、耳が聞こえないことを考慮したいのかと思いながら感じている。
「あ、そういえば・・・・・・」
ふと、バンはバッグから何かを取り出す。四角いものを見て、顔を顰めていた。
「2人とも、これを見てくれないか」
そこで差し出されたのは、ハロウィンバーション・LBXバトル大会の招待状だった。
直紀と私はその封筒を見つめながら、目を丸くしている。
「これ、どうしたの?」
「それがさぁ、ヒロから渡されたんだよ」
「ヒロから? どういうこと?」
「うん、ヒロが言うには・・・・・・」
バンの話を要約すると、2週間前にヒロから例の封筒を渡された。
念のため、ヒロに話を聞いてみることにした。そしたら、意外なことが判明する。
その数日前にコウがトキオ大学の体育館でやるから、男子だけのハロウィンパーティーにしようって言い出したらしい。
「コウのヤツ、何を企んでいるんだ?」
「しかも大人のハロウィンバーションって言うし、何か変だなって思ってたんだ」
「でも、コウに何か考えがあるんじゃないの?」
それぞれ意見を述べながら、そのハロウィンパーティーについて呟いた。
でも、男子だけのハロウィンってのはちょっと嫌だなぁーって思う。
「それで、いつやるの?」
「今夜だとさ、何をしでかすか分かったもんじゃない」
「そうだね。念のため、試しにヒロと一緒に参加したら?」
「うーん、そうするか。後さ、コスプレをどうするかって言うのが問題なんだ」
バンが言うには、そのハロウィンパーティーにコスプレを仮装して参加するというのが条件らしい。
そこで、アメリカでハロウィンを経験したことがある私を思い出して相談しようと思ったそうだ。
「なるほどね、それで私に相談しに来たのね」
「そういうこと。何か俺に合うコスプレって言うのはないかな?」
「じゃあ、簡単なので行ってみたら? 例えば、ミイラ男とか」
「ミイラ男ねぇ・・・・・・包帯を巻いていくだけじゃないの?」
「いやいや、その上に何か着た方がいいと思うって!」
「そうだよな、ミイラ男になりきるのもいいなぁー」
うーん、ミイラ男になりきるのは良いけど・・・・・・今夜は何時からやるか気になった。
「そういえば、何時からやるの?」
「今夜7時からだけど・・・・・・あっ、今日は俺んちに泊まっていったら?」
「え、良いの? 帰りが遅くなっても知らないよー」
「まぁ、そう言うなって。サンキューな、ハル。あと、直紀もな!」
席を立ったバンは慌てて立ち去りながら、思いっきり走り出した。
慌てようを見る限り、私と直紀は呆れながらも顔を顰める。
「なーに言ってんだか、あいつは・・・・・・」
「まあ良いんじゃないの? ハルも仮装して待ち伏せすれば?」
「仮装して待ち伏せか、それもありか。フフフッ・・・・・・・」
キラーンと目を輝きながら、ニヤリと笑う。これは面白そうかもしれない。
確かにバンの部屋で待ち伏せればいい感じだと思うし、やってみる価値はありそうだ。
そこで勝負しなきゃならんのもあるから、楽しく待ってもらうことにしたのだった。