二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ小説【夕暮れ蝉日記】 ( No.1 )
日時: 2012/10/18 19:43
名前: 秋(元苺) (ID: iv9jnC9n)


#プロローグ




「—どうして泣いているの?」


黒髪の、六〜七才くらいの少年が短い髪を二つに結っている、
少女に問いかける

少女の眼からは、たくさんの涙が溢れだしており、身体が傷だらけで
洋服は土などがついていて、薄汚くなっているのが分かる

「…………」

少女は何も答えずに少年の方に顔を向けている


すると少年は辺りをキョロキョロと見渡すと、神社の祠(ほこら)の横にちょこん、と咲いている一輪の白い花に向かって歩き出す

そして、その一輪の白い花を摘むと、少年は少女の元へと走り出す

涙は既に止まっており、少女の目は少し充血していた

少年は少女にさっき摘んだ一輪の白い花を、差し出した

「—はい!お花!キレイでしょ?君にあげる!」

少年は笑顔でそういうと、さっきまで何も言わなかった少女が、

「……ありがとう」と呟きながら少年に微笑み返した。




「もしも君がまた、泣いたりしていたら、僕が助けてあげる。
約束するよ!」

「……約束?」

「うん!約束」


少年と少女はそういうと、指きりげんまんと、小さな小指を
絡めた






「ー約束だからね」