二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ小説【夕暮れ蝉日記】 ( No.11 )
日時: 2012/10/20 21:01
名前: 秋(元苺) (ID: iv9jnC9n)


#3「終わりに気づいて宙ぶらり」

ー少女視点ー


私は今、神社にいる

神社の裏の奥底にある小さな建物

その中で私はたった一人、誰にも見送られることなく

この世から消え去る

今まで楽しいことは何回あったっけ?

多分、私の人生の中でなら、きっと数え切れるほどだろう

悲しいことなんて、数え切れないくらい沢山あったと思う

「どうせ、私なんて」

私はポツりとそう呟く


思えば人生、あっという間だったなぁ

今此処で、首吊り自殺なんかしないで

そのまま、一人で家に帰るとすれば明日、私はこの世に存在している
だろう

でもきっと後悔しているに違いない

生きてたってどうせ、辛いことばかり

両親は私が幼い時離婚して、二人とも私を置いて出ていった

理由なんてどうせ、「居ても邪魔」「育てるのがめんどうだから」
何だろう

「私って一体……」

また涙が零れてきた

そういえば、彼と約束したよな

覚えてないようだけど

覚えていて、欲しかったなぁ

私のことも、あの日交わした約束も。

覚えていて欲しかった

でも、今更仕方がないな……


「さようなら」


私は少しだ円型のヒモに顔を通す

乗っている台から足を離せば、首吊りで死ねる

「やっと……楽になれるのかな」

でもまだ、心残りがあるなぁ

生き残りたい

生き残りたい

生き残りたい……


まだ、彼に伝えてない言葉がある


でももう遅い、のかな

仕方ないよね

生きていても、何も変わらない

学校に行けばイジメがある

家に帰れば一人ぼっち

彼に助けなんて求めたって……


「もう、いいか」



私は両足を台から降ろした







さようなら。