二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ小説【夕暮れ蝉日記】 ( No.2 )
日時: 2012/10/20 21:02
名前: 秋(元苺) (ID: iv9jnC9n)


#1「嘘吐きな日々に消えていく」


<月×日

外は雨が降り注いでおり、いつもなら聞こえる、煩い蝉の鳴き声も、今日は静かに止んでいた



僕は何の面白みもない、白髪混じりの教師の話に今日もまた耳を傾けることなく
ただただ、窓の外をじっと見つめていた


そして僕はある場所に目を向ける

廊下側の、一番奥の端っこの席に座っている一人のクラスメイトに視線をやったのだ

黒髪の、後ろで一つのみつ編みをして顔を下に向けている
一人の彼女。

僕はいつもその彼女を見て思う。


幼い時に彼岸花がたくさん咲き誇っている神社である約束をした、彼女
によく似ているのだ

もし、君がそうなら……


花を渡した時に微笑んでくれた、あの優しい笑みはもう、見せてくれないの?