二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ小説【夕暮れ蝉日記】 ( No.5 )
日時: 2012/10/20 21:06
名前: 秋(元苺) (ID: iv9jnC9n)


ぼくはただただ呆然と立ち尽くしていた


暫く僕は硬直していると

「覚え、てる?」

彼女が急にこちらに目を向けて話しかけてきた

僕はビクりと驚き、後ずさりしてしまった

「何……を?」

約束って……

「あの日、約束したこと覚えてる?神社の、彼岸花がたくさん咲いていたあの神社で」

「神社?」

「うん。神社」

僕はそして、今まで疑問に思っていたことが少し分かった

もしかしたら、この少女はあの時出会った……

僕は、「約束、覚えてるよ」と言いたかった

「覚えてる」の一言でも、言いたかったのに。

「ごめん。覚えてない。知らないから」と、嘘をついてしまった

「そう……そうだよね」

彼女は視線を僕からゆっくり外すと、起き上がり鞄を持って
教室から出て行ってしまった

僕は、彼女とすれ違った瞬間(とき)
少女の顔をチラっと見た

そして僕は、その瞬間に何故だか心が痛んだ気がした

「最低……だよな」

僕は一言そう呟くと、忘れ物をとり教室を後にした