二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ小説【夕暮れ蝉日記】 ( No.8 )
日時: 2012/10/20 15:18
名前: 秋(元苺) (ID: iv9jnC9n)



#2「蝉日記」


「……あ、あ……あぁ」

途端に激しい頭痛が起き始めた

僕はその場に崩れおちて、目の前が真っ暗になった


















「あっ!今日も、赤いお花がたくさん咲いてる!」


あ……これ……あの時の。

—どうやら僕は今、幼い頃の夢をみているようだ

「神様がいるところはいつ来ても落ち着くなぁー」

懐かしいな……この神社。

そうだ。此処で彼女と出会ったんだっけ


「……あれ?女の子が泣いている!」

あ……君は

「…………」

「何で泣いているの?」

「……」

「うーん……そうだ!待っててね」


何で君はあの時泣いていたの?

「はい。お花。君にあげるよ!」


「—いいの?」

「うん!」


「……ありがとう」


彼女の笑顔を見たのは、この時以来なんだよな……


どうしたら君は笑ってくれる?

「もしも君が泣いていたら、僕が助けてあげる!」

約束を交わしたあの日

交わしていないと嘘を吐いたあの時。



—何で……嘘なんか




蝉の鳴き声が、煩い夏の日だった。