二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【学園アリス】 太陽の光 【小説】 オリキャラ募集! ( No.4 )
日時: 2012/10/25 20:32
名前: 愛理 ◆aGZ9OPSgQQ (ID: YC5nxfFp)

〆氷麗さん

オリキャラありがとうございます!
親友…! 優子の親友…! とっても嬉しいです♪
早速登場させちゃいます(^ω^)



03 転入生


のんびりと優子たち三人は教室に戻った。
そして自席につく。
棗は本を読み始め、ルカは動物と触れ合っている。
優子はあまりにも体がだるかった。


(これも鳴海のフェロモンのせい…やっぱアイツのアリス嫌い……)

「——なーにシケた面してんだよ、優子!」


明るい声が聞こえてくる。
ダルそうに顔を動かして優子は声の主を見た。
声の主——秋梨紗和だ。
水色の髪は非常に綺麗であり、赤く真っ直ぐな強い目。


「……紗和」

「ってかどこ行ってたんだよ!? 探してたんだぞー、あたし」

「…僕が何処に行こうと勝手だろ」

「親友には行き先を言うべし、だ!!」


知らないよ、と優子は内心呟いた。
これでも優子は紗和に絶大な信頼を寄せている。
彼女は信頼できない人間とは話さない。
そう、たとえば先ほどの蜜柑との会話である。


『何で僕がアンタみたいな知らない奴を助けなきゃいけないの?』


信頼できない人間には優子はとことん冷たい。
特に——大人に対しては非常に冷たいのだ。
そんな時、鳴海が一人の転入生を連れて教室に入ってきた。
…かと思えば副担任に任せて何処かへ行ってしまう。


(…何なのよあのカマ野郎……)


全員が席に着いてその転入生を見た。
が、優子は見ない。興味がないのである。どうでもいいのだ。


「じゃあ、佐倉さんは後ろの席です…」


ボーッと優子は窓から外を眺める。今日もいい天気…なんてほのぼのしていた。
その時、優子のすぐ後ろの席につこうとした転入生——蜜柑が雄叫びを上げた。


「——ヘンタイちかん男ーーーっ!!」

「はあ? 何言ってんだこの女。痴漢ってのはバカが下心もってやるから“痴漢”なんだよ」


お前相手に下心もくそもわくかよ、と棗は言う。
ふ、と優子が現実に引き戻される。
蜜柑も優子の存在に気がついたようで、口をあんぐりと開けた。


「あ、あんたは…っ! さっきの毒舌美少女僕っ娘!!」

「…はぁ?」

「何が“はぁ?”や! さっきうちの事見捨てたくせに! 冷血! ひどいで!!」


それを見ていた周囲の顔色が青白くなる。
このクラスで怒らせてはいけないのがまず棗。
が、一番怒らせてはいけないのは…。


(ちょ、誰かあの転入生止めろ——!!)

(黒宮さん怒らせちゃダメだよ…!)

(やべぇよ優子さんがキレるよ!!)


一方の優子はと言うと、ジトーと蜜柑を見ていた。
いつまでも怒りをぶつけてくる蜜柑に流石にうっとうしくなってきた。
小さく優子はため息をつくと冷めた目で言い放った。


「————“黙って”」

「………!!」


くっ、と蜜柑の口が強制的に閉じられた。
驚いた蜜柑は必死に口を開けようとするがなぜか開かない。
周りは冷や汗を浮かべてそれを見ていた。


「んぐー!? んぐぐぐぐぐー!?」

「や、やめてあげて、黒宮さん!」

「……」

「…優子、やめてあげな? 転入生だし、さ。な?」


表情は変わらなかったが、紗和の言葉で優子はアリスを解く。
蜜柑はぶはあっと息をはくと、冷たい視線を送ってくる優子を見る。


(ななな何なんや…今のっ……!!)