二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 『イナGO』-アドニス〜リベロ永久欠番〜 ( No.57 )
日時: 2012/11/25 12:13
名前: 優騎那 (ID: hoeZ6M68)

第22話 『“毒吐きタイム”』

おれは自分の机にうつぶせた。
マジで疲れるし、眠い。

「尊、6時間目の理科が終わったら部活だよ。もうちょっとだけ元気だそう」

太陽がおれの右肩にポン、と手を乗せた。

「んなこと言ったってよ……。あ?待て、6時間目理科?」
「人の話聞いてた?理科だよ!不動先生の授業!」
「あ〜…悪ぃ悪ぃ。研究授業だっけ?」
「うん。雷門から何人か先生が来るって聞いてるよ」

おれはしばらく考えた。

「美人の社会科教師とかいねぇかな〜?」
「君はそればっかりか!!」

————————————————————————————

「起立!」

クラス全員が立ち上がった。
教卓に不動先生が立った。

「礼!」

先生の動きにあわせて礼をした。

「着席!」
「はいじゃぁ、プリントノートの一番最後のページ開けろ」

他の奴がプリントノートを開けているが、おれはお構いなしに廊下に—教室に壁がないためかなり開放的—誰にも、不動先生にも気づかれないように目をちらちら向ける。
もちろんお目当ては美人だ。
社会科教員ならなお良い!
左耳で授業を聞きながら、ノートを取りながら廊下を盗み見る。
長い青い髪を後ろで一つに結い、目は紫。
美人発見!
…って、この女教師—ひと—、オリビアさんにそっくりだ。

「おい和藁!!」

斜め前の左からチョークが飛んできて、おれの頭に直撃した。

「よそ見とは良い度胸だな?あぁ?」
「何するんスか!」

1−4クラス中大爆笑。
太陽笑うな!!
後で樹海に投げ込もう。

「お前が授業まともに聞いてないからチョーク投げた」

出た—————————!!
不動先生の授業名物、“毒吐きタイム”!!!

「今研究授業っスよ!?生徒にチョーク投げつけるって、あんた教師か!!?」
「聞いてない奴に何言われても怖かねぇよ。おれがクビになるわけじゃねぇし?
授業聞いてねぇと期末テストで悲惨なことにならぁ。そうなったらサッカー部は活動停止?あらぁ」
「すみませんでした授業聞きます勉強しますあなたの僕になります」

すげぇ早口で棒読みで反省を言った。

「じゃぁさっさとノート開け」
「はい……」

またどっと笑いが巻き起こった。
礼の美女もクツクツ笑ってる。
とりあえず、おれの右隣で腹抱えて爆笑してる雨宮太陽は、後で樹海に投げ込んでおこう。
不動先生は空っ風にやられてマルセイユまで飛ばされちまえ。