二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 『イナGO』-アドニス〜リベロ永久欠番〜 ( No.72 )
- 日時: 2012/11/26 17:59
- 名前: 瀬梨 (ID: hoeZ6M68)
- 参照: http://元:優騎那
第25話 『宣戦布告』
「太陽来るのか?」
おれは根淵先輩に聞いてみた。
「来るらしいぜ。何でも、この試合だけは出たかったんだと」
「そうか」
時間潰しにアップでもしておこう。
ボールに足を添えて、足先に乗せた。
と、思ったらボールは無様におれの足を滑り落ちていった。
……やっぱだめか。
ボールを追いかけて行った先に、スパイクを履いた人の足があった。
「来たか太陽」
おれの相棒、太陽だった。
新雲の緋色のユニフォームに身を包み、すっかり選手だ。
「あぁ。試合、出られるって」
「今日のパスはちょっときつめにいくぞ」
「分かった。君の相棒として恥じないようにするよ」
いつものようにハイタッチを交わした。
「尊姉!太陽!」
雷門のベンチから誰かがおれ達を呼ぶ声がする。
足音はだんだんと近づいてきて、おれ達のところで止まった。
「やぁ。天馬」
「太陽、君サッカーしちゃいけないんじゃ……」
太陽が、サッカーをしちゃならねぇ?
「どういうこったそれ。聞いてねぇぞ」
「尊ごめん。完全に言うの忘れてた」
今こいつ、おれを蔑ろにしやがった。
そう取っていいんだな?
「僕の体はサッカーみたいな激しいスポーツには耐えられない。でもね、サッカーが好きなんだ。
だから隠れて練習をした。学校に行ける日は思う様練習したし、尊との連携も強くした。
上手くなっていくのが嬉しかった。でも…病気が悪化して医者にサッカーを止められてしまったんだ……」
切なくも、自分の運命を嘆いていない顔をしている相棒。
おれは何も言えることがない。
太陽は、サッカーの才能にあふれている希少な逸材。
だが、病気に邪魔されて、思うようにサッカーが出来ないもどかしさがある。
そんな太陽と対照的におれは自由にプレーが出来る。
でも、何も無くて、カットとパスを極めるしかなかった。
ざっと見ただけでもかなり相違があるから、おれは太陽に何も言ってやれない。
「そんなとき見たんだ。雷門のサッカーを。
君のプレーを…。僕の中に、サッカーへの想いがあふれて、もう止めることが出来なかった!!
僕は雷門に勝つ。勝って優勝するんだ。
その夢を手にするためなら、病気だって何だってはね返してみせる!!」
「そんなにまでおれ達と……。でも!おれ達は負けるわけにはいかない!!」
口元がにやける。
「まぁ、勝つかどうかは別として、いいゲームにしようぜ」
太陽と一緒に新雲のベンチに戻る。
途中、おれは一端足を止めた。
「天馬、他の雷門の選手にも伝えとけ。
“お宅らに新技—見せたいもの—ある”ってな」
あぁ〜…震え止まんねぇわ。
武者震いなんか、いつ以来だ?