二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 獣の奏者〜王獣を操るものと闘蛇を操るもの〜 ( No.2 )
日時: 2012/11/02 20:53
名前: 悠 (ID: hmaUISmg)
参照: http://みんな、獣の奏者読んでみてね〜

=2=  新たな生命


カザムルの学舎は、朝から<喜び>と<緊張感>に満ちていた。

なんと、ミィの子供エクがティアと飛翔し、クアと名付けられた美しい王獣が誕生したのだ。

ティアは、一番ラミが力を尽くた獣であった。

そして、唯一〝人に馴れる〟王獣でもあった。


けれど、ティアが、寝ているところを無理やり起こされたりされたら_____

一瞬にして、ラミやミサルの頭を噛み砕くであろう。
それは、皆が承知していたことだった。




王獣には、〝今〟しかない。〝明日〟や〝昨日〟の感覚はない。



王獣の、出産は軽いことで有名だ。
少しの陣痛を伴い幼く、可愛らしい幼獣が生まれてくる。
幼獣は、生まれた時から人間の身長をはるかに上回る。




            ☆


クアは、まだ母ティアの胸に顔を押し付け、〝甘え鳴き〟をしていた。


ラミは、生まれて初めて見る王獣の子供をじっと食い入るように見つめていた。




いつの間にか、空が茜色に染まり始めていた。