二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 3つの微超越 ( No.22 )
- 日時: 2012/11/11 07:07
- 名前: キリキリマイ (ID: 8cTIMUus)
第十三箱
「たくらんでるよ」
「……何なんだよ、一体」
杜若はそう呟くと、泡を吐いて気絶している埠頭蛇尾を見据え——
——あれ?
「っ!!」
「気づいたか?」
……あれ?この人、誰だ?
「あの……貴方、誰?」
「……随分とご丁寧な口調になったな、埠頭蛇尾」
「え?」
アタシの名前を知ってる?何で?
あれ?そもそも、アタシはどうしてこんな所に……?
っ!まさか敵!?
蛇尾はがばっと起き上がると開口一番言い放った。
「アンタ、何者!?蛇籠飽賛成派の奴か?」
「……」
「おい!答えろ!」
「……」
「だったらどうする?」
「ぶち殺すっ!!」
そう言って蛇尾は、腕に付いているルーレットの様な物を回した。
それは、さながら某スーパーヒーローが変身する際に用いられそうな物で、杜若は不意を突かれた。
「え?……おもちゃ?」
「——消失した運命!」
カララララララララ。
ルーレットの回る音が鳴り響く。
そのルーレットは、37区分された穴の内の36個が黒色に塗りたくられていた。
(Σ何だこの真っ黒なルーレット!?)
「アタシのスキル、消失した運命はね。
限りなく自分に有利な状況でルーレットを回して、当たれば相手に決めた事柄を味あわせる。
ま、万が一外れたらアタシがその二の舞になるけど」
そう言われると、確かに赤色の部分が一つだけある。
杜若は、この反則級のスキルに寒気を覚えた。
「ちょっと待て、これは俺が明らか絶望的な状況じゃないか?」
「知ってる」
「ちょっと待て、仮にもお前を介抱したのは俺だぞ?」
「知ってる」(Σ知っててやってんのかよ!)
(くそー、埠頭蛇尾の能力を見ておきたいと思ったのが運のツキか……)
(……ん?ルーレット?)
「……なぁ、そのルーレット。俺、どっかで見たことあるんだけど」
「ん?……あぁ、市販されてた玩具だよ。かなり小さくしてあるけど」
「その黒色は何、自分で塗ったの?」
「そうだよ、アタシのスキルって本当はルーレットに限らずカジノゲーム全般OKなんだけど、ルーレットは手っ取り早く勝てるから好きだし」
杜若の脳裏に、ある考えが浮かんだ。
「……いいぜ、回せよ」
「……何か企んでる?」
「あぁ」
「たくらんでるよ」