二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: めだかボックス 3つの微超越 ( No.3 )
日時: 2012/11/04 07:02
名前: キリキリマイ (ID: 8cTIMUus)

第二箱

「この能力を簡単に説明しよう」


俺は生まれた時から”微超越”と呼ばれていた。

一般人プラスでも過負荷マイナスでもない。

さして過負荷と変わらない扱いを受けて育ってきた。

しかし、俺のスキルは他の異常や過負荷とは異色の能力だったらしい。

全てを最初の状態に戻すスキル。

このスキルを簡単に説明しよう。

これは、球磨川先輩の大嘘憑きと同じ種類のスキルと考えてもらいたい。

因果律にまで関わっている大嘘憑きと同じく、俺の無限の再挑戦も因果律に関わっている。

俺が球磨川先輩に殺されたのに生き返れたのは何故か——

それは自動的に俺が”ドアを開ける最初の状態”にまで戻ったからである。

このスキルは決して一番最初に戻ることは無い。

俺がとった一つ一つの動作の”最初”の状態に戻れるのだ。

そしてこれは、俺に限ったことではない。

例えば、誰かが蹴ったボールを最初の状態に戻せば蹴ったことにはならない。

誰かがこぼした飲み物を最初の状態に戻せば、こぼした事にはならない。

誰かが建物の屋上から飛び降りても、最初の状態に戻せば飛び降りたことにはならない。

ただ、それはあくまでそのスキルで戻した物だけなので

ボールを蹴った人からしてみれば、蹴ったはずのボールが瞬間的に戻ってきたように見えるし

こぼした人からしてみれば、こぼしたはずの飲み物が戻っていることになる。


ただし、人に関しては別だ。

先ほど言った飛び降りた人に関しては話が変わってくる。

飛び降りた人からしてみれば飛び降りる”最初の状態”に戻っただけなので、再度改めて飛び降りることになる。

つまり、最初の状態に戻すというのは心情も状況も運命も戻してしまうので

殺人犯に殺された人を家から出かける最初の状態に戻しても、殺人犯に殺されることは決まっているし

テロに巻き込まれた人を”生まれた”最初の状態にまで戻したとしてもテロに巻き込まれてしまう。

そこが大嘘憑きと違って、使い勝手が悪い部分である。

この能力に関しては過負荷として扱われているが

このスキルを持った俺はマイナス側の人間では無いので、過負荷に限りなく近い異常。

……微超越と呼ばれている。