二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 3つの微超越 ( No.7 )
- 日時: 2012/11/04 07:41
- 名前: キリキリマイ (ID: 8cTIMUus)
第四箱
「俺には主人公向いてないんだよ」
「……さて、客人はお帰りになったよ」
「そろそろ出てきたらどうだい——球磨川君?」
安心院さんが教室のドアをちらりと見ると、そこから球磨川禊がいつもの様に不敵な笑みを浮かべて入ってきた
と思いきや、その表情は曇った”マイナス”の表情だった。
『なんだよ、杜若くんとばっかり喋っちゃってさ』
「あれ?もしかして球磨川君拗ねてるの?」
『別に』
「あっはっは、何だよ球磨川君。この、3兆年も生きた安心院さんが浮気なんてみみっちいことしないよ」
「僕の本命は——」
そこで言葉を区切ると、安心院さんは球磨川のそばまで歩み寄り
「君だけだぜ★」
と、そう言って球磨川を抱き寄せた。
球磨川は一瞬にして曇った表情が晴れ、いつもの球磨川に戻った。
『安心院さん……』
球磨川はこの空気にあやかって安心院さんに抱きつこうとした
その時
「そしてこれは杜若くんに用件を伝えなかった罰だ」
ボキィィッ!
安心院さんは抱きついたその状態から、球磨川の背骨を粉砕した。
*
「あー嫌な夢を見た……」
杜若は安心院さんに与えられた任務に、疑問を感じていた。
どう考えても、俺の能力は人探しになんて向いていない。
どちらかといえば……何というか、その……
そう、無くし物を探すとか。無くした物を最初置いてあった状態に戻せばいい。
でも地味だよな。
「はぁ……俺には主人公向いてないんだよ絶対」
杜若はベッドの上でそう呟くと、天井を見上げた。
小さな螺子が一本、天井に刺さっているのが分かった。
球磨川先輩の物だろうか、でもいつの間に……?
「そうだ、探さないと……標的を」
杜若は前方に視線を戻すと、思い出したように呟き立ち上がった。
その時、杜若の寝巻きのポケットに写真と紙が入ってあった。
写真には地味な印象を受ける何とも弱弱しい男が写っていた。
そして紙には
”一日千秋”とだけ書かれていた。
「……一日千秋、か」
凄ぇ名前、と思いながら写真と紙を机に置いた。