二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: TIGER&BUNNY 2次小説 ( No.15 )
日時: 2012/11/15 18:53
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

№4 my name is…

「……………」

少女の目には早くもウルウルと涙が溜っている。黒い瞳から今にも
零れ落ちそうだ。

「あー!泣くな泣くな!!な!?」
「う…ぁ、ひぐ…」
「はぁ、何してるんですかオジサン。」

グスグスと泣きながら、少女は「帰りたい…」を繰り返している。
そんな少女を困惑しつくした顔で、二人は眺めていた。

>5分後<

「どだ?落ち着いたか?」
「っ…はい」

少女は泣きやみ、白い医療ベットの上にきちんと正座をした。

「あの…色々すみませんでした。私は…凪川千歳と申します」

自ら名乗り、日本式の正しいお辞儀をする。細く滑らかな黒髪が、
さらりと連動した。

「へぇ、千歳ちゃんか。俺は……鏑木・T・虎徹だ。宜しくな。」

一瞬どう名乗ろうか迷ったようだが、虎徹は本名を教えた。そして、
隣に立つ彼にも、「ほらお前も」と声をかける。

「初めまして、miss,凪川。バーナビー・ブルックスJrです。」

さわやか笑顔で一礼するが、外国人だと分かり千歳が不安がった。
急いで虎徹に「大丈夫なんですか?」視線を送る。

「この都市の人間は、皆言語多様だから心配すんな。…それより、お前
 立てるよな?会ってもらわなきゃならない奴らがいる。」
「あ、はい。」

正座を解き、ベットから足を下す。彼女の白い裸足が、ゆっくりと冷たい床に下ろされた。



№4【私の名前は…】