二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: マギ —運命と魔導殺し— ( No.20 )
- 日時: 2012/11/12 20:01
- 名前: 黎 (ID: kgjUD18D)
「あ・・・れ・・・?」
またこの展開か。
そう思い、トーマはゆっくりと目を開けた。
ただ、数時間前とは違うのは、見慣れない豪華な部屋のベッドに寝かされている、ということだった。
どうやら、ココはシンドリア王国ではないようだ。
どっちかというと、古風なフインキだった。
(確か私、逃げようとして手刀食らわされたんだった!!)
トーマは唖然としながら思い出すと、このままだと危ないフインキを察知にてベッドから飛び降りようとした。
「…この人・・・。」
トーマのすぐ隣にジュダルが静かに寝ていた。
「…あのときは俺様だったのに、こうしてみれば結構子供っぽいんだね・・・。」
つぶやきながらトーマは全く布団を羽織っていないジュダルに布団をかけてあげた。
(でもここで無駄骨くってるわけにもいかないし・・・。)
そう思いトーマはそっと足音を消して、部屋の扉を開けたら・・・。
「・・・なーにやってんだ。」
「ひゃっ!!??」
後ろから抱きかかえられ、後ろから聞こえた突然の声にトーマは思わず声を出す。
「なななななななんで!?」
「…いっただろ。逃がさねえって。」
寝起きなのかジュダルの声は少し不機嫌だった。
「・・・いつから起きてたの…ですか?」
「『あの時は俺様だったのに』から。」
「忘れてえええええええっ!!!」
トーマは自分でも恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にして手で顔を押さえる。
「おまえの弱みゲット♪」
(やっぱこの人最悪だ!)
改めてそう思った。
死にたい気持ちいっぱいのトーマに反して、ジュダルはさっきまでとは打って変わって、とてもご機嫌だった。
だが、トーマには一つ、不思議な点があった。
「…ここはどこですか?」
「あ?煌帝国にきまってんじゃん。」
(嘘ーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!)
トーマは絶望した。
煌帝国は侵略国家。そんな物騒なところに身を置いているだなんて。
私も侵略されてしまうのではないか・・・。
そう思った。
「…あの…私は…本当に、ただの人なんで・・・。」
「んなわけねーだろ。お前の愛機から全部聞いたぞ。」
「ええっ!?」
トーマはブレスレット—ゼロ—を見た。
だが、手首にはゼロはいなかった。
「ぜ、ゼロ!?」
「これか?」
ジュダルは意地悪いいつもの笑みでどこからかゼロを取り出す。
「か、返してくださいッ!」
「おっと。」
奪い返そうとしたらよけられてしまった。
—すまん。トーマ。脅された。—
「お願いしますッ!…あッ!」
また取り返そうとしたら足のバランスを崩してつまづいた。
「・・・!」
キュッとトーマは目をつむる。
だが、地面の感覚はなかった。
「きをつけろよな。」
それは、ジュダルが腕でトーマの体を支えていたからだった。
「あ、ありがとうございます・・・?」
トーマの顔は赤くなった。
いやな人じゃないの?