二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: マギ —運命と魔導殺し— ( No.36 )
- 日時: 2012/11/18 18:34
- 名前: 黎 (ID: oUAIGTv4)
「ええっ!?トーマがさらわれた!?」
「…ああ。おそらくな。」
場所はシンドリア王国に戻る。
修行を終え、トーマに会おうとアラジン、アリババ、モルジアナはトーマの部屋に向かったのだが、シンドバットとジャーファルに呼び止められて今に至る。
ガシャン。
何かが割れた音が響く。
「アリババ君。皿割れたよ?」
「ギャグかこのやろう!!誘拐と同じ攫われただよ!!!」
「…お二人ともそんな争いしてる場合じゃないと思いますけど。」
取っ組み合い寸前の2人にモルジアナは淡々とツッコミをかます。
「その通りだ。君たちが修行をしていた時に俺たちは八人将たちで捜索していたんだが…。もうこの国からいなくなっていたんだ。」
シンドバットはふう…。と先程トーマが使っていたベッドに座り込む。
「…でも、船でいったとか・・・。」
「そうだよおじさん!」
モルジアナの言葉にシンドバットは首を振った。
「…いや、トーマちゃんをここに連れてきたときはもう本日の船はすべて終了していた。今日中にこの国を出ることはありえない。」
「で、でも!攫われたとしたら誰が?!何のために!?」
アリババは身を乗り出していった。
「それは我々にも見当がつきません。もしくは彼女は力に気付いたものがさらった可能性が高いとわれわれは踏んでいます。」
ジャーファルは説明するように言った。
「…いや、ジャーファル。誰がさらったのかは大体は見当はつくさ。」
「?誰だというのです?」
「…ジュダルさ。」
「「「「!!!!」」」」
シンドバットの言葉に驚いたように4人は目を見開く。
「…しかし、シン。いくらジュダルでも奴は煌帝国。そこまで来て彼女をさらうとは・・・。」
「…じゃあ、彼女がジュダルの興味をもたらす何かだったら?」
「あ・・・。」
アラジンはゴクンと唾をのんだ。
「さっきの本もそうだが…一つ言い忘れたことがあってな。あの子がここから脱走するとき俺も武器魔装で捕まえようとしたんだが、その力が強制的に使えなくなった。…一時的だがな。」
「・・・そんな力聞いたことがないよ・・・!」
アラジンはギュッと杖を強く握った。
「…どっちにしろ、トーマさんにはここに戻ってもらわないと・・・。」
「・・・ああ。」
モルジアナとアリババはうなづいた。
(…魔法が使えなくなる?・・・まさか・・・。)
シンドバットは自分の手を見ながら思った。
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「・・・よし。今日はだれもいない。今日こそは・・・。」
トーマは思い切り窓を開け、飛び降りようとしたが・・・。
「…何をなさってるのです?」
「あ・・・紅明さん・・・。」
唖然として立っている紅明をみた。
「ちょ・・・、ちょっと外の空気を・・・。」
苦笑いをしながらトーマは言った。