二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: マギ —運命と魔導殺し— ( No.49 )
- 日時: 2012/11/22 19:56
- 名前: 黎 (ID: oUAIGTv4)
「へー。あんたがトーマ?」
「は、はい・・・。」
「ふーん・・・。」
また唐突にこの展開が始まる。
軟禁されかかっているトーマの部屋にはただいま現在、煌帝国第三皇子、錬紅覇がじろじろとトーマの顔をなめまわすように見ている現在は当人であるトーマにもさっぱり意味不明珍解答であった。
「あの…。何か・・・?」
やっととーまがつむぎ出せた言葉はこれだった。
「あ!そーだった。炎兄に呼ばれてたんだった!ほらトーマ!今すぐ炎兄のところに行くよ!」
紅覇はそういってトーマの手を引っ張ると部屋からダッシュで飛び出した。
「ええ!?というかどうして私の名前を!?」
「ジュダル君から聞いた!!」
「というか炎兄って誰ですか〜!?」
「行けばわかるよ!!」
突風のように2人は走って行く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ここは・・・。」
やっと止まった場所にトーマはあたりを見渡す。
どうやら大広間のようだ。
「…お前がトーマか。」
「はいいっ!?」
当然の声にトーマはびっくう!という擬音語がふさわしいぐらいの勢いで後ろを振り向いた。
「あ!炎兄ー。」
紅覇はそういってトーマを呼んだ人物に飛び掛かる。
「すまないな。急に呼び出して。紅覇。ちゃんと説明したのか?」
「いいジャン連れてきたんだしー。」
そう対話をしながらこの国に誇る第一皇子、錬紅炎が抱き着いている紅覇を引き離した。
「…ジュダルが一般人を気に入るということはなかなかいないからな。一目見てみたかったんだ。」
「そうですか・・・。」
私、もしかして記念物扱いか?とトーマは思ったがあえて口には出さなかった。
「まあ、いきなりで悪かったな。ジュダルはああいうやつなんだ。気にしないでくれ。まあ、お前もこれからこの煌帝国の一員だ。これからもずっとここにいてくれ。」
「ありがとうございます・・・。」
ああ…。この人はいい人だ・・・。
ん?なんかおかしい?!今この人煌帝国の一員って言ったぞ!?
トーマは驚愕の言葉を数秒で理解した。
「あ、あの・・・。」
「なんだ?」
おずおずとトーマは手を上げる。
「…私をここから出す気は・・・。」
「「ない。」」
紅炎、紅覇2人同時に言われてしまった。
(前言撤回!私危ない!!)
トーマは改めてそう思った。
—…トーマ。やっぱりこいつら…。—
(ゼロ。もう私ためらわない。)
—やっと覚悟を決めたか。—
「もう自室に帰っていいぞ。」
「じゃあかえろっか。」
紅炎の言葉に紅覇はトーマの腕を引っ張り、部屋に案内した。
(絶対、抜け出さないと。)
「にがさねえよ・・・。」
必死なトーマをジュダルは高いところから意地悪い笑みで笑っていた。
やっと期末テスト終わった—ーーーーーーーーッ!