二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: マギ —運命と魔導殺し— ( No.52 )
日時: 2012/11/25 14:39
名前: 黎 (ID: oUAIGTv4)
参照: http://http://

「ふぁああ・・・。」
 トーマがこの煌帝国に来てから1週間がたった。
 もちろんトーマは隙があれば逃げ出そうとあらゆる手段を練って、実行したのだが、彼らはトーマの上を行き、トーマの脱出劇を無に収めているのであった。(おもにジュダルとかジュダルとかジュダルとか)
 まあ、とりあえずたぶん今日も彼女は逃げ出すであろう。
 なぜ、こんなに悠長にトーマが朝の時間を楽しめるのかというと…。
「…きょう、ですよね?神官一同、皇子、皇女全員円卓会議って・・・。」
 トーマは脱出が悟られないよう、近くにいた侍女に聞いた。
 その問いに侍女はにっこりとほほ笑んだ。
「ええ。今日はシンドリア国王と陛下がバルバットの交易について話すんだとか。」
「そうですか!」
 トーマもにっこり笑って言った。
(長かった…。長かった・・・!)
 グッと今までも自分をかみしめていると・・・。
「おーいトーマ。」
 ギクッ!とトーマは体を強張らせた。
「ジュ…ジュダルさん・・・。」
「俺らが円卓会議だからって逃げ出すんじゃねーぞ?」
「わ・・私、そんなことこれっぽっちも考えてませんから!!!」
 若干声が裏返ったが、トーマはスルーした。
「ふーん…。まあ、逃げても捕まえるけどな。」
 ジュダルはそういって絨毯でどこかに行ってしまった。
(魔導書もある…!ゼロも満タン…。これで絶対逃げれる!)
—トーマ。逃げる時間はシンドリア国王が帰国する夜だ。そこでなら煌帝国の奴らのお前の配備は薄くなる。—
(うん。オッケー・・・。)
 ゴクリ、とトーマは生唾を飲んだ。








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 次の日の朝・・・・。
 トーマはすやすやまだ眠っていた。
 だが、脱走のことについては忘れてはいない。
 すると・・・。
「いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!」
 ものすごい悲鳴が聞こえてきた。
「?何・・・?」
 トーマは部屋の外に出て、眠い目をこすった。
 その悲鳴は紅玉のものだった。
 紅玉は泣きながら近くにいた女官に保護されて、どこかに歩いて行った。
「紅玉どうしたんだろう・・・?」
 ボーっとしながらトーマは紅玉が叫んでいた部屋を覗いた。
 そして、次の瞬間、その眠気は一瞬で消えた。
「シンド・・・バット…陛下・・・?」
 そう。シンドバットは先程の悲鳴にも気づかずスース—眠っていた。
 裸で。
「え…。な…何が・・・ええーーーーーーーーー!?」
 悲鳴をあげそうになった口をあわてて抑える。
「と…とりあえず。」
 トーマは駿足で上半身裸が見えかかっているシンドバットの布団を思いっきり肩まで引き上げ、とりあえず今はまだ裸じゃないカモフラージュをした。
「…なんで私が・・・!」
 かあああと顔を赤くしながらトーマは部屋をダッシュで出た。
—バカだろ。あいつ。—
 ゼロが呆れながら言った言葉にもトーマは反応できなかった。
(思い出すだけで恥ずかしい—ーーーーーーーーーーーッ!)
 それだけで全速力で走っているトーマ。
「王様おこしに行かなきゃなー・・・。」
 銀髪に褐色の肌の青年、シャルルカンにトーマはぶつかった。
「うおッ!!!」
「あッ!!」
 トーマは思わずしりもちをついたが、今のトーマはへこたれない。
「・・・ごめんなさいッ!」
 そう言ってすぐに立ち上がるとまた走って行ってしまった。
「…あの子って・・・。」
「どうした?」
 呆然とトーマの背中を見るシャルルカンに真面目そうな男、スパルトスが話しかけた。
「いや…。さっき俺にぶつかったあの子って前まで王様が話してたトーマってコじゃあ・・・。」
「?気のせいじゃないのか?」
「んー・・・。」









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「紅玉様…!なんとおいたわしや・・・!」
「うう・・・ッ!トーマ・・・!」