二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: マギ —運命と魔導殺し— ( No.59 )
日時: 2012/11/26 19:25
名前: 黎 (ID: VXkkD50w)

「シンドバット王よ!!ただいま、わが王国に到着しました!!」
「ごくろう!!」
(どうしよう—ーーーーーーーーーーーーーーッ!!)
 あははは、と笑うシンドバッドやその他もろもろは笑顔だったが、トーマはそれどころじゃない。
 脱出大作戦、二の段である。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
—・・・トーマ慎重に行け。タイミングを見計らうんだ。—
「わかってるよお・・・。」
 トーマは空き部屋のドアからこっそりシンドバッドたちを監視する。
「まずはアラジンたちに報告しないとな!!」
 そう言って豪快に笑いながら、シンドバッドや部下たちは船から降りる。
—…今だ!!—
 ダッとトーマは素早く船から降りようとしたのだが・・・。
「トーマ!!お前、今までどこ行ってたんだよ!!俺ら心配してたんだぞ!!」
「え・・・。」
 トーマが恐る恐る振り返ると、船場にはアラジン、アリババ、モルジアナや、そのほかの八人将がいた。
「君は・・・トーマか!!どうやらシャルルカンが言ってたことは幻じゃなかったんだなあ・・。」
 うんうんと納得したようにシンドバッドはうなづいた。
—…このバカ・・・!—
(うるさいッ!泣きたいのはこっちだよ!!)
 悪態をつくゼロにトーマは凸ピンをした。
 だが、ゼロは金属なので地味に爪が痛い。
「お姉さんまた会えたねえ!!」
「・・・煌帝国にさらわれたと思われていましたが無事で何よりです。」
 無垢な笑顔を浮かべるアラジンとモルジアナだったが今のトーマにとってはためらいの何物でもでもない。
「シン。この御嬢さんがトーマさんですか?」
「ああ。彼女は俺でも知らない特殊能力の持ち主でな。」
 ジャーファルにシンドバッドは説明した後、こっちを向いていった。
「また会えたんだ!また王宮で過ごすといいさ!」
「…イエ。私は船を乗り間違えてここにいるだけなんです。ホントはレーム帝国に・・・。」
「…残念だが、おれ等は君の能力が知りたい。もしかしたら新たな発見になるかもしれない。」
「…この力はだれにも話すつもりはありません。」
「じゃあさ〜。」
 と、険悪になりそうな空気をシャルルカンは制止しながら言った。
「王様とトーマちゃんが手合わせして、一本取ったらかったほうの条件を飲むっていうのはどうよ!?」
「いいねえシャル!!」
 はいはい!!と小柄な少女、ビスティも賛同する。
「…俺としてもそっちのほうがありがたい。いいかな?トーマ。」
「…いいでしょう。ただし、私が勝ったら即座にレーム帝国行きの船をください。…後、もう私にも関わらないでください・・・!」
 トーマはキュッと悲しそうに語尾を強めた。
(私にかかわるとろくなことがないんだから・・・。)
「じゃあ、審判は僕が。」
 そう言ってジャーファルは2人の前に出た。





(絶対勝たなきゃ!!)