二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: マギ —運命と魔導殺し— ( No.68 )
日時: 2012/12/03 18:39
名前: 黎 (ID: VXkkD50w)

——…おと・・・さん・・・、おかあ・・・さ…。—
——・・・お前か?俺のマスターは?——
——マスター?——
——…そうだ。——








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・ん・・・。」
 寝起きが悪そうにトーマはゆっくりと目を開けた。
「…最近昔の夢ばかり・・・。」
「おッ!やっと気づいたんだなトーマ!!」
「・・・アリババ・・・?」
 まだぼんやりしている目でいたずらっぽく笑うアリババを見た。
「僕もいるよトーマさん!!」
「…同じく。」
 はいはい!!と主張するように手を上げるアラジンと小さく主張するモルジアナ。
「でも、目が覚めてよかったです。トーマさんは一週間ほど眠っていましたから。」
「ええっ!?そんなに?!」
「そうだよ!おじさんとの戦いがよっぽどつかれたんだねきっと!!」
「…そういえば私・・・!!」
「…いい勝負だったけどな。負けちゃったよ。」
 と、アリババが苦笑いしながら言った。
「そ・・・っか・・・。」
 トーマは布団をキュッと握りしめながら言った。
「盛り上がってるところ失礼するぞ。」
 バタン、とシンドバッドとジャーファルは入ってきた。
「気分はどうです?」
「・・・ええ…。なんとか…。」
 にっこり笑って言うジャーファルにトーマも笑った。
「確かに君は俺に負けて今からはレーム帝国には行けなくなったが、別にこの王宮に閉じ込めようってわけじゃない。…君にはこの国の食客としてここにいてほしい。」
 シンドバッドは笑いながら言った。
「そういえばここ・・・!!」
 やっと今自分のいる部屋が王宮の部屋だということを自覚すると、トーマは恥ずかしくて顔を赤くした。
「トーマさんがいてくれると僕たちうれしいなあ!!」
「俺も!!剣術使えるんだったら相手してくれよ!!」
「…女の子同士が増えてうれしいです・・・。」
 と、3人はわいわい騒ぎだした。
「…私が…ここにいてもいいの・・・?」
「当たり前さ!!」
「我がシンドリア王国としてもうれしいですね。」
 ジャーファルもにこやかに言った。
(…ここにいるなら、言ったほうがいいよね…。自分のこと・・・。)
—…それはお前が決めろ…。—
「…あの…。皆さん・・・。」
 そして、トーマはこれまでの自分の経歴を話した。
 今まで煌帝国に身を寄せていたこと。
 はっきりとはわからないが、自分の故郷は何者かによって滅ぼされてしまったこと。
 自分のこの能力は自分でもまだはっきりしていないこと。
 確信的な部分は話さなかったが、自分のことはちゃんと話した。





「・・・ごめんなさい。はっきりしてなくて・・・。」
「…いやいいんだ。良く話してくれたなトーマ。」
 そう言ってシンドバッドはトーマの頭をやさしくなでた。
「・・・シン。あの言葉を言わなくては。アラジンたちも。」
「ああ!そうだったな!」
「ちゃんとあわせようね!」
「しっかりな!アラジン!」
「大丈夫です。」
「「「「「せーのっ!!!!!」」」」」
「?」






「「「「「ようこそ!!シンドリア王国へ!!!」」」」」





 太陽のように笑っていった5人にトーマは幸せそうな笑みを浮かべた。





(新しい生活がここで始まるんだ。)