二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 浅葱色の風と放浪鬼 ( No.18 )
日時: 2012/12/14 18:16
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

14話「ここで一句」

真琴は昼餉ができるまで、土方の部屋に居座る事にした。借り受けた
発句集をペラペラとめくり、くすくす笑っている。
……借り受けたというよりは、半ば強引に手にしたのだが。

「おい、真琴…」
「ん。もうちょっと…」

同じ会話を先程から五回はくり返しているだろう。その度に土方は
ため息をつき、無駄と思いつつ行為を繰り返していた。

「ふぅ。面白かったよ土方さん!」
「あぁそうかよ。…返せ」
「ん。うん」

どーもありがとーございましたぁ。と口の中で呟き土方に手渡す。
仏頂面で土方も受け取った。

「そーだ。俺さァ、さっき沖田達と対戦したんだよね。」
「はぁ?総司達と?」
「あぁ。原田と永倉と平助、沖田。ま、沖田だけは引き分けだったん
 だけど。他には勝ったよ。」
「…………そうか。」

にこにこと無邪気に笑う真琴を、土方は意味深な目で見つめる。

「ん?どうしたの?」
「いや……何でもねぇ」
「ふーん?…あ、そういや原田との戦闘中に、一句詠んだんだよ」
「ほぉ…つか、てめぇは戦闘中に詠んでやがるのか!!」
「まぁまぁ。結構いい出来だからさ、書き止めといて。」

真琴は先程呼んだ句を、土方に伝えた。土方も渋々発句集の空き紙に
書きとめた。

隊士たちがざわついている。昼餉ができたようだった。